カテゴリー: 感染症

 小児の新型コロナワクチン接種について

   新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の感染症法上の位置づけは今年5月8日に5類感染症に変更となり、季節性インフルエンザなどと同じ扱いになりました。感染者の全数届出や濃厚接触者への行動制限は廃止されました。    当院では従来通り生後6か月から11歳の小児の新型コロナワクチンの個別接種を行っていますが、初回シリーズ(1回目と2回目の接…

 あらためて、風邪(かぜ)について

院長です。 過去にもお伝えしてきていますが、受診されるきっかけとして最も多い「風邪(かぜ)」について、理解しておいていただきたいことを改めてまとめてみたいと思います。 風邪とは多くの場合、急性上気道炎(普通感冒)を指します。主にウイルスの感染による上気道(鼻腔や咽頭等)の炎症性の病気で、咳・のどの痛み・鼻汁(鼻みず)・鼻閉(鼻づまり)などの局部症状、および発熱・倦怠感・頭痛など全身症状…

 解熱剤の準備をお願いします

院長です。 今朝、3つのお知らせをホームページに掲載しました。 山城南地区では、新型コロナの感染者は減少傾向にありますが、先週からインフルエンザの感染者が急激に増加しています。当院においても先週初めから、発熱で受診される方が増えており、新型コロナまたはインフルエンザと診断される方が多くなりました。 新型コロナは、インフルエンザと同じ5類感染症へ移行する方針が示されていますが、ウイ…

 小児の新型コロナウイルス感染後の死亡例の検討と、新型コロナワクチン接種について

院長です。明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。 新年早々の情報提供になります。国立感染症研究所が昨年末に公表した、2022年1月1日から9月30日に新型コロナを発症もしくは診断された20歳未満の死亡例について行った調査結果です。 死亡例は合計62例でした。このうち、実地調査ができた57例について詳細に検討されています。以下に示すのは、事故などによる外因…

 5~17歳の小児への新型コロナワクチン接種について

院長です。 しばらくブログの更新が滞っておりました。7月半ば以降、新型コロナウイルスの感染拡大に加え、RSウイルスやそのほかの夏風邪ウイルスの流行により、外来受診者数、検査数が大幅に増加し、外来業務に忙殺されていました。夏休みも中盤になり、少し受診者数が減少してきていますが、例年のことを考えると8月とは思えない状況に変わりはありません。 さて、昨日、日本小児科学会が「5~17歳の小児への新型コ…

 新型コロナウイルスPCR検査を始めてみて

院長です。 今年の4月下旬から、当院でも新型コロナウイルス感染症の診断のために、PCR検査を行うようになりました。精華町での新規感染者数がピークを越えて、徐々に減少傾向に入ってきたころになります。 当初は、感染者との接触歴のあるなしにかかわらず発熱で受診されたすべてのお子さんに協力をお願いし、検査を行っていました。感染経路不明の場合がどのくらい含まれるのか、わからなかったからです。結果は、10…

 5歳~11歳の新型コロナワクチン接種について②

院長です。 クリニックのある精華町では、今月から、5歳から11歳の小児への新型コロナワクチン接種が始まります。それを前に、下記のようなニュースが流れ、ご欄になった方もおられるかと思います。 ワクチン 時間経過で小児は感染予防効果低下か 米調査結果 このニュースでは、2つの論文のデータが紹介されています。ひとつは、アメリカ…

 病床使用率

院長です。 京都府においても新型コロナウイルスの感染拡大の勢いは、そろそろピークを越えた、という感じになってきました。気になるのは、10歳未満の感染者数が急増していること。感染経路に関するデータが示されていないのでわかりませんが、オミクロン株になり、家庭内での感染に加えて、学校・幼稚園・保育園での感染例の増加が影響していると思われます。そして、高齢者の感染者数も増えています。高齢者施設での感染例が…

 乳幼児のマスク着用に関して

院長です。 今回も、新型コロナウイルスに関する話題について。 先日(2月4日)、厚生労働大臣が閣議後の会見で、2歳以上の子どものマスク着用を前向きに進めるべきという認識を示されました。この発言に戸惑われた方も多かったことと思います。医療関係者からも、SNS上などで反対の声があがりました。 日本小児科学会は、『乳幼児のマスク着用の考え方』の中で、「乳幼児のマスク着用には危険があります。特に2歳…

 5~11歳の新型コロナワクチン接種について

院長です。 5~11歳の小児への新型コロナワクチン接種が承認され、早ければ3月から接種が開始されます。現在のオミクロン株を中心とした感染拡大がこれまで以上に子どもたちにも及んでいることを考えると、この年代の子どもたちも感染予防の手段が得られることは、とても良いことだと思います。一方で、子どもたちは新型コロナウイルスに感染しても軽症例が多く、接種するメリットは少ないのではないかという意見もあります…