手足口病について

院長です。

みなさんご存じの通り、手足口病が流行しています。

手足口病とは、3~5日の潜伏期間のあと、口の粘膜・手のひら・足の裏・お尻・膝などに2~3㎜の水疱性の発疹が出現する病気です。ときに発熱がみられることがありますが、高熱が続くことはありません。口の中が痛くて食べられなくなることがあります。通常、発疹は1週間足らずで消失し、水疱が痂皮を形成することはありません。

原因ウイルスは、コクサッキーウイルスA16(CA16)、CA10、エンテロウイルス71(EV71)などです。今回の流行が始まってから当院を受診されたお子さんの症状からは、いくつかのウイルスが流行している印象なので、複数回手足口病にかかる場合もあります。

感染経路は、主として咽頭から排泄されるウイルスによる飛沫感染、あるいは便に含まれるウイルスの糞口感染で起こります。おむつを処理した後の手洗いは、十分に行ってください。

登園停止基準については、発熱がみられるとき、口の中が痛くて食べられない間は、休む必要があります。発熱が無く元気で、食欲もいつも通りであれば、普段の生活に戻ってかまいません。発疹がみられるだけであれば、休む必要はありません。

原因ウイルスによっては、典型的な例と比べて発疹や水疱が大きく、体幹部や大腿部・臀部にも発疹が出現する場合があります。この場合、症状消失後1か月以内に一時的な手足の爪の脱落を認めることがあります。突然のことで驚かれるかと思いますが、自然に治るので、特に治療は必要ありません。

流行のピークは過ぎたような印象を持っていますが、まだまだ油断はできません。大人に感染する場合もありますから、引き続き気をつけてお過ごしください。

(2024.7.19)