熱中症とかぜ症状

院長です。今日は、熱中症について少し触れてみたいと思います。 熱中症とは、暑いあるいは蒸し暑い環境に長時間居ることで、大量に汗をかくことにより体の水分や塩分が失われ、体温調節がうまくできなくなってしまい、その結果起こるさまざまな症状(元気がない、けいれんを起こす、など)の総称です。 子ども、特に乳幼児は汗をかく機能が大人に比べると十分には発達しておらず体温調節機能が未熟なため、体温を下げる…

 手足口病について

院長です。 みなさんご存じの通り、手足口病が流行しています。 手足口病とは、3~5日の潜伏期間のあと、口の粘膜・手のひら・足の裏・お尻・膝などに2~3㎜の水疱性の発疹が出現する病気です。ときに発熱がみられることがありますが、高熱が続くことはありません。口の中が痛くて食べられなくなることがあります。通常、発疹は1週間足らずで消失し、水疱が痂皮を形成することはありません。 原因ウイル…

 学会に参加してきました

院長です。 先週の土曜日にお休みをいただき、大阪で行われた「日本周産期・新生児医学会学術集会」に参加してきました。普段の診療に直接関係する事柄は少ないのですが、もとは新生児科医だったのでこの分野にはまだ関心があることと、いまもお産にかかわり続けていますから、久しぶりにぜひ参加したいと思いました。 今日までの3日間(7/13~15)行われたのですが、黄疸の管理に関するシンポジウム、併設す…

 Child Death Review(CDR)について

院長です。 前回のエントリーで、「Child Death Review(CDR)」のシンポジウムに参加したことをお伝えしました。今回はこのCDRについてお伝えしたいと思います。 Child Death Review(CDR)は、「予防のためのこどもの死亡検証」といわれるもので、医療機関や行政をはじめとする複数の機関・専門家(医療,教育,保健,福祉,司法,警察など)が連携して、亡くなった…

 学会に参加して

院長です。 先週末はお休みをいただいて、福岡市で行われた日本小児科学会の学術集会に参加してきました。全国学会への現地参加は、本当に久しぶりでした。コロナ禍では、ほとんどの学会がライブ配信のみとなり、現在は、現地参加とライブ配信(学会後の一定の期間オンデマンド配信もあり)の二本立ての学会がほとんどになっています。 今回聴講したのは、「不登校対応から考える子どものこころの診療」、「出生前診…

 食物アレルギーに関する最近の考え方

院長です。先日のおはなし会のテーマは、「食物アレルギー」でした。その中で特にお伝えしたかったのが、「経皮感作」と「経口免疫寛容」でした。 アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン(抗原)」といい、私たちの身のまわりには、多くのアレルゲンが存在します。このアレルゲンが体の中に入ると異物とみなして排除しようとする免疫機能がはたらき、「IgE抗体」という物質が作られます。この状態を「感作」といいま…

 離乳食の基本は「家族の食事」

院長です。前回のブログの最後に、これまでわたしがお伝えしてきた離乳食に関するポイントについてお伝えしました。 ・家族で一緒に食べる:13回から始める ・食べる量は、赤ちゃんが決める

 先日のおはなし会:離乳食

院長です。週半ばの休日を、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。 一昨日に、おはなし会をオンラインで開催しました。今回のテーマは「離乳食」でした。 離乳食に関して、国が保健医療従事者向けに出している指針は「授乳・離乳の支援ガイド」で、最新のものは2019年に改訂されています。その中で、離乳の支援に関する基本的な考え方として、以下のようなことが記載されています。 「離乳とは、成長に伴い…

 おはなし会の再開にあたってのお願い

院長です。 コロナ禍前、1か月に1回「小児科の先生とおはなししよう(略称、おはなし会)」という催しを開催していました。ひとつのテーマ、主に医学的な事柄(例えば「風邪」「離乳食」「子どもの睡眠」「予防接種」というようなもの)について私がお話しし、その後に参加されたお母さんからの質問に答えたり、テーマ以外の普段の診察の場面では話せない話題などについてお話ししたり、お母さん同士でお話ししていただい…

 食品による窒息

院長です。今日は、事故予防についての情報をお伝えしたいと思います。 2020年10月に出された日本小児科学会の「〜食品による窒息   子どもを守るためにできること〜」という提言が改訂され、昨年12月に公開されました。 食品による窒息によりお子さんが亡くなる事例が、しばしば報告されています。小児科学会のホームページには、提言とともに動画による解説も掲載されています。と…