カテゴリー: ブログ

 熱中症とかぜ症状

院長です。今日は、熱中症について少し触れてみたいと思います。 熱中症とは、暑いあるいは蒸し暑い環境に長時間居ることで、大量に汗をかくことにより体の水分や塩分が失われ、体温調節がうまくできなくなってしまい、その結果起こるさまざまな症状(元気がない、けいれんを起こす、など)の総称です。 子ども、特に乳幼児は汗をかく機能が大人に比べると十分には発達しておらず体温調節機能が未熟なため、体温を下げる…

 学会に参加してきました

院長です。 先週の土曜日にお休みをいただき、大阪で行われた「日本周産期・新生児医学会学術集会」に参加してきました。普段の診療に直接関係する事柄は少ないのですが、もとは新生児科医だったのでこの分野にはまだ関心があることと、いまもお産にかかわり続けていますから、久しぶりにぜひ参加したいと思いました。 今日までの3日間(7/13~15)行われたのですが、黄疸の管理に関するシンポジウム、併設す…

 Child Death Review(CDR)について

院長です。 前回のエントリーで、「Child Death Review(CDR)」のシンポジウムに参加したことをお伝えしました。今回はこのCDRについてお伝えしたいと思います。 Child Death Review(CDR)は、「予防のためのこどもの死亡検証」といわれるもので、医療機関や行政をはじめとする複数の機関・専門家(医療,教育,保健,福祉,司法,警察など)が連携して、亡くなった…

 学会に参加して

院長です。 先週末はお休みをいただいて、福岡市で行われた日本小児科学会の学術集会に参加してきました。全国学会への現地参加は、本当に久しぶりでした。コロナ禍では、ほとんどの学会がライブ配信のみとなり、現在は、現地参加とライブ配信(学会後の一定の期間オンデマンド配信もあり)の二本立ての学会がほとんどになっています。 今回聴講したのは、「不登校対応から考える子どものこころの診療」、「出生前診…

 おはなし会の再開にあたってのお願い

院長です。 コロナ禍前、1か月に1回「小児科の先生とおはなししよう(略称、おはなし会)」という催しを開催していました。ひとつのテーマ、主に医学的な事柄(例えば「風邪」「離乳食」「子どもの睡眠」「予防接種」というようなもの)について私がお話しし、その後に参加されたお母さんからの質問に答えたり、テーマ以外の普段の診察の場面では話せない話題などについてお話ししたり、お母さん同士でお話ししていただい…

 今年を振り返って

院長です。 皆さんはどのように大晦日をお迎えでしょうか。ご自宅で過ごされている方、旅行にお出かけの方、ご実家で過ごされている方、それぞれに穏やかに過ごされているよう祈ります。 今年は、新型コロナウイルス感染症がようやく収束し、以前の生活を取り戻すことができた一年でした。子どもたちの日常も、本来の姿に戻ったように思います。一方でコロナ禍の間、他の感染症の流行がおさまっていた反動なのか、さ…

 赤ちゃんとお母さんの愛着形成と、お父さんの役割

院長です。前回に引き続いて、生後間もない時期の赤ちゃんとお母さんの愛着形成とお父さんの役割について、お伝えしたいと思います。 お母さんは、胎動を自覚するころからお腹の中のわが子を認識し、母となる準備を始めるとされています。最近は妊婦健診の際の超音波検査によりお腹の中の赤ちゃんを視覚的に認識できるようになっていますから、その始まりは妊娠のより早い時期になっていると考えられています。 この…

 愛着について

院長です。先日のブログの続きで、「愛着:アタッチメント」についてお伝えしたいと思います。 哺乳類の子どもにとって、自然界の中で母親から長期間物理的に離れることは、ほとんどの場合、死を意味します。赤ちゃんが母親から離れないように、母親が自分から離れないようにする仕組みを持っていて、ボウルビィ(イギリスの児童精神科医)はこの仕組みについて、「アタッチメント」と呼びました。ボウルビィは、哺乳類の親…

 バースカンガルーケア

先日お伝えした産前・産後支援員養成講座でお話しした内容から、「バースカンガルーケア」に関することをお伝えしたいと思います。 バースカンガルーケアとは、生まれたばかりの赤ちゃんを裸のままお母さんのおなかの上にのせて、そのまま過ごしてもらうことを言います。以前は生まれたばかりの赤ちゃんは、清拭や計測のためにしばらくお母さんから離れ、服を着せられて、その後に抱っこしてもらうという施設がほとんどで、…

 「マタニティブルーズ」と「産後うつ病」

院長です。 先日お伝えした産前・産後支援員養成講座でお話しした内容から、「マタニティブルーズ」と「産後うつ病」に関することをお伝えしたいと思います。 マタニティブルーズは出産後の女性の15~35%が経験する一過性のうつ状態で、分娩後最初の1週間、特に産後3~5日が発症のピークといわれています。数日から2週間以内に自然と軽快するのが特徴です。 産後うつ病は出産後の女性の10~15%…