リンゴ病について

院長です。インフルエンザが本格的な流行期に入ってきましたが、今日は伝染性紅斑(リンゴ病)についてお伝えしたいと思います。

両頬などに赤い発疹が出る伝染性紅斑(リンゴ病)の感染が今年の秋ごろから首都圏を中心に拡大しており、2025年は全国的な流⾏が危惧されています。

リンゴ病は、パルボウイルスB19が原因です。10〜20日の潜伏期間の後、頬に境界鮮明な紅い発疹が出現し、その後、上腕や大腿部に網目状・レ−ス状などと表現される発疹がみられます。頬に発疹が出現する7〜10日くらい前に風邪のような症状がみられることが多く、この時期にウイルスの排泄量が最も多くなります。感染力が強く、1人から6~8人に広がる可能性があります(インフルエンザでは、1~2人程度)。つまり症状が出る前から、うつる可能性があるということです。発疹が現れたときにはウイルスの排泄はほとんどなく、感染力はほぼ消失しています。発疹は1週間程度で消失し、ほとんどの場合自然に回復します。

しかし、妊婦さんが感染した場合は注意が必要です。流産や胎児貧血、子宮内死亡を引き起こす可能性があり、特に妊娠20週までの感染は要注意とされています。

このウイルスにはワクチンはありません。飛沫感染や接触感染によってうつるので、日頃からの感染対策(人込みではマスクをする、食器などを共有しない、よく手を洗う、など)を徹底することが大切です。感染が⼼配な妊婦さんは、医療機関に問い合わせて抗体検査や超⾳波検査を受けることをお勧めします。

京都府内での大きな流行は今のところみられていませんが、今後は注意が必要です。症状がではじめたときにはすでに感染が広がってしまっている可能性が大きい疾患です。インフルエンザも流行期に入っており、日ごろからみんなで感染予防策を行うようにしましょう。

(2024.12.15)