院長です。今日の午後は、精華町の9・10か月健診でした。診察室に入る前から泣き出している子もいれば、じーっと僕の様子をうかがいながらおとなしくしている子もあり、それぞれ反応は千差万別。発育や発達の進み具合にも個性があり、それぞれにすくすくと成長してくれていました。
この月齢の健診でいつも気になり声をかけさせていただいているのは、フォローアップミルクのこと。離乳食がしっかり進んでいるのに、普通ミルクからフォローアップミルクに替えられている場合が多いのです。「授乳・離乳の支援ガイド」には、以下のように書かれています。
フォローアップミルクは、母乳または育児用ミルクの代替品ではない。必要に応じて(離乳食が順調に進まず、鉄の不足のリスクが高い場合など)使用するのであれば9か月以降とする。
つまり離乳食が順調に進んでいれば、フォローアップミルクは不要ということです。多くのお母さんは、このようなお話をすると少なからず驚かれます。これまでに一度も、このようなことを聞いたことが無いのです。適切な時期に離乳食に関する十分な情報提供がなされていないからであり、私たち医療者側の課題だと思います。また、未だに「9か月になったらフォローアップミルクを」という宣伝がなされていることも、混乱の原因と言えるでしょう。
離乳食が順調に進められている限り、フォローアップミルクは必要ありません。離乳食が進まず母乳やミルクばかり飲んでいる場合は、鉄分の不足などの問題が起こり得ます。9か月になっても離乳食が進まない場合は、相談していただきたいと思います。 (2014.3.25.)