STAP細胞

院長です。今日は朝の新聞から。
今朝の朝刊の一面は、新たな万能細胞(STAP細胞)の開発に成功したとの記事でした。あらゆる組織の細胞に変わることができる細胞を、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が開発したというものでした。iPS細胞は遺伝子操作が必要ですが、今回の細胞はマウスのリンパ球を酸性(pH5.7)の溶液に入れて30分間刺激し、その後培養することで得られるそうです。iPS細胞より簡単に作成でき、かつ安全ということのようです。将来この細胞が実用化され、今は不治の病とされているような疾患にも治療の道が開かれるのかもしれませんね。
それと同時に個人的に興味を持ったのが、昨年春に英科学誌ネイチャー(今回掲載されることになった世界的に権威のある科学誌)に投稿した際は、「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄していると酷評され、掲載を却下された」というエピソード。ここでめげなかったんですね。今回の発見には多少なりとも運が味方したのかもしれませんが、自分が正しいと思った道を進み続けるという強い意志が無ければ、成し得なかったのだろうと思います。スゴイです、見習うべき姿勢ですね。
もう一つ感じたのは、ひょっとしたらこの発見は、生命の起源に関する定説をも変えてしまうかもしれない、ということ。たった一つの受精卵から人間の身体が出来上がって命が誕生する、その神秘的な世界に魅せられてこの世界に入った者として、これまで信じていたことが、いい意味で変わってしまうかもしれないという期待感が大きく膨らみます。これからどのように展開していくのか、とても楽しみです。
(2014.1.30.)