インフルエンザの流行を抑えるには

院長です。

報道等でもご存じのとおり、今シーズンはインフルエンザが流行するという見方が強まっています。新型コロナウイルスの流行が始まって以来2シーズン、インフルエンザの流行が無かったのですが、今年の夏に南半球のオーストラリアで流行が起こったこともあり、日本での流行も確実視されています。

さて、そのインフルエンザですが、なぜ2シーズン続けて流行がみられなかったのでしょうか。様々な要因が重なったためと考えられますが、やはり一番は、新型コロナウイルスの感染対策が広く行き渡ったためでしょう。三密の回避、手指消毒、マスクの着用などが、飛沫感染が主体のインフルエンザの流行を抑え込んだのだろうと思います。

新型コロナウイルスの第7波が収束し、これまで行われてきた様々な規制が緩和されてきています。それ自体は喜ばしいことですが、おそらく来るであろう、この冬の新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時流行への対策として、ワクチン接種や診療体制の構築ばかりが強調されていることに、疑問を感じています。

同時流行が起これば、医療への負担は大きくなり、通常の診療への影響も避けられません。もちろん、わたしのクリニックも、その例外ではありません。

新型コロナウイルスに対してこれまで行ってきた感染対策が、インフルエンザの流行を抑えるのに役立ったと考えるのであれば、ワクチン接種だけではなくこれまで行ってきたマスクの着用などを、大変だけれども、せめて来年の春までは継続しよう、そう呼びかけるのも一つの方法ではないのだろうか。そのように考えています。  (2022.10.16)