院長です。
精華町では明日から、町立の小中学校は臨時休校になるそうです。京都府内では多少の違いはあっても、基本的には同じような対応になるものと思われます。やることが決まった以上、新型コロナウイルスの感染を終息に向かわせるよう、皆が同じ意識で取り組むことが重要だと思います。
さて、休校中の感染対策について、沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩医師が、Facebookに投稿されています。非常に参考になる内容ですので、その一部を原文のまま引用させていただきたいと思います。お読みいただき、これからの日常生活の上での参考にしていただければと思います。
(以下、引用)
休校中の感染対策について考えてみます。
まず、友達の家へ遊びに行くのは大丈夫でしょうか・・・?
少人数での集まりならOKです。ただし、集まる人数が多いと、それに比例して感染リスクが高まります。できるだけ少人数で集まることをお勧めします。ただし、お子さんに熱や咳などの症状があるのなら、どんなに軽症であっても遊びに行かせず、自宅で療養させてください。これは最低限のマナーですよ。
では、公園で遊ぶのは大丈夫でしょうか・・・?
公園で遊んでる子供たちの密度によるかと思います。あまりに大勢が集まってるのなら、遊具を介した接触感染のリスクが高まるかもしれません。でも、公園で遊ぶのを禁じてしまっては、子供たちは春休みを乗り切れないんじゃないでしょうか? まあ、陽(紫外線)が当たればウイルスも死滅するでしょうし・・・(やや神頼み)。そうそう、ショッピングモールなどに併設されている屋内型の遊技場については、(紫外線もないですし)よほど丁寧な消毒が求められるはずです。流行期に入ってからは避けるのが賢明ですね。
次に、図書館に行くのはどうでしょうか・・・?
おそらく大丈夫。でも、図書館側に配慮してほしいことがあります。まず、入り口でアルコールによる手指衛生を呼びかけてください。そして、「熱や咳などの症状がある方は入館を控えてください。咳などの症状が続いている方をお見かけしたときには、声をかけさせていただくことがあります」と掲示しましょう。図書館では、通常、人と人との距離は保たれますが、本や雑誌、机などの共用物が多いのが特徴です。接触感染を予防する取り組みをお願いします。
学童クラブに子供たちが集まるのはどうでしょう・・・?
仕方ないです。社会機能を維持することも必要です。実際、学校が休校していて、学童クラブも認められないとなれば、少なからぬ病院の看護師さんたちが働けなくなってしまいます。ただし、学童クラブでは、朝の検温と症状確認をスタッフも含めてお願いします。そして、症状のある子供は(もちろんスタッフも)休ませることが必要です。あと、アルコールによる手指衛生を適宜行ってくださいね。
最後に、祖父母の家に遊びに行ってもいいですか・・・?
難しい質問です。親族の交流というのは、社会活動の基本中の基本ですよね。でも、新型コロナウイルスに高齢者が感染してしまうと、重症化するリスクが高いのです。中国における分析では、80歳以上で確認した感染者のうち14.8%が死亡したとの報告もあるぐらいです(Zhonghua Liu Xing Bing Xue Za Zhi. 2020 Feb 17;41(2):145-151. )。あえて言い切りますが、新型コロナウイルスから守るべきは高齢者であって、元気な子供たちではありません。感染を広げない目的の一斉休校ですが、そのことで高齢者を危険にさらすとしたら本末転倒です。ですから、今後、地域での流行が始まったときには、祖父母の家には遊びに行かせないこと。長期に孫を預けるつもりなら、流行がはじまる前に疎開させてください。良くないのは、田舎にいる祖父母と都会にいる孫が春休みだからと相互に行き来すること。この流行が収まるまでは、ネット経由によるビデオでの対話を活用するなど、高齢者の隔離性を保つことに力を入れてください。
以上、一斉休校における子供たちの過ごし方について、感染管理の観点から考えてみました。
(引用ここまで)