院長です。
児童クラブでの感染対策について、前回に続いて沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩医師のFacebookでの投稿を、ここでも原文のまま引用させていただきたいと思います。詳しく解説してくださっていますので、皆さんも参考にしていただければと思います。
(以下、引用)
質疑応答がとっても充実していたので紹介します。全国でも動きがあると思います。参考としていただけますと幸いです。
症状のあるお子さんが来ることがないよう、それぞれの家庭が心がけることです。毎朝の検温と症状確認をしっかりしていただいて、もし発熱や咳などの症状があるなら休ませること。これが一番大切なことです。
いえ、原則として各家庭で行うべきことです。連れてくるだけでリスクが生じています。公園で遊ばせるとき、買い物に行くときなど、子供が外出する理由は様々です。学童クラブに限らず、子供の健康状態をしっかり把握いただいて、症状があるなら休ませること。これを地域のコンセンサスにしていきましょう。
風邪なのかどうかの判断は、それぞれの親に任されるべきです。他の親が「あの子と遊ぶな」といったことを自分の子供に言って、差別やいじめを助長するような社会にはなってほしくないです。ここは日本人、試されてますね。
どうせ子供たちって、直接に触れ合って遊びますよね。それを制限することができない以上は、間接的な接触である本や遊具を制限しても意味ないです。
せっかく良かれと思って、学童クラブを拡張していただくわけですから、親たちも地域も、ある程度は腹くくっていただく必要があります。破綻することが明らかな対策を求めておいて、感染が広がったときに「学童は何やってたんだ」と糾弾する。これって不幸な社会ですよ。
基礎疾患のあるお子さんが、何らかの理由で人混みに行かざるをえないときは、きちんとした指導のもとでマスクを着用することはありうると思います。でも、健康な子どもが学童クラブでマスクを着用する意義はありません。
はい、それは必要です。紙コップなり、自宅より持参したマグカップなりを専用とすることが感染予防になると思います。
学童クラブに入るとき、食事をするときを原則として、加えて手が汚れたときに適宜やってください。あまり神経質になることはありません。
ダメです。70%の濃度が必要です。泡盛では届きませんね。ウォツカじゃないと・・・。アルコールが手に入らないなら、流水と石鹸の手洗いでもいいです。新型コロナウイルスの皮膜は脂肪で出来てるので、石鹸でも簡単に破壊されます。
インフルエンザでは加湿した方が感染予防になると言われてますね。しかしながら、新型コロナでは加湿の効果があるかは不明です。これまでのクラスター事例をみると、むしろ湿度の高い空間が多いとの指摘もあります。つまり、あえて加湿する必要はありません。しっかり換気の方が意味があります。
ただ、それでは効率性が失われてしまいますね。やはり、どこで折り合いをつけるかだと思います。部屋の広さも考えながらですが、たとえば、この部屋であれば15人から20人ぐらいが適正なのかなと直感的には思います。
クラスターを小さくして、かつ独立性を保つことが大切です。その意味では、クラスター間を行き来する人はいない方がよいです。どうしても掛け持ちが必要な人材であれば仕方がないですが、症状がないかを確認して、手洗いを心がけるなど、とりわけ注意してほしいと思います。
う~ん、あまり勧められません。というのも、新型コロナウイルスの感染に関して言えば、屋内の閉鎖された空間で大声を出したり、激しい呼吸をすることにより、エアロゾルといってウイルスを含む小さな飛沫を発生させた可能性が指摘されています。たとえば、ライブハウス、スポーツジム、宴会などですね。ですから、激しく体を動かすような遊びについては、できるだけ屋外でやらせた方がよいと思います。
老人ホームが繋がっているなら、ドアを閉めたり、衝立をしたりと、できるだけ子供たちと分離するようにしてください。これは家庭で子供たちが集まるときも同じで、高齢者のいる家では遊ばないようにしてほしいです。