おはなし会

 院長です。24日(金)の午後、3月の「小児科の先生とおはなししよう」を開催しました。今回のテーマは「子どものうんちとおしっこ」でした。
 子どもの排便・排尿の機能は、夜の排便コントロール⇒日中の排便コントロール⇒日中の排尿コントロール⇒夜間の排尿コントロール、の順に達成していきます。生後間もないころに多い相談の一つが、赤ちゃんのうんちのこと。うんちの性状のこともありますが、一番多いのは「便が出にくい」ということです。時々綿棒を使って肛門刺激を行うことで、排便を促してもらっています。離乳食が始まり便が固まりだすと、便秘に関する相談が増えてきます。乳児期はまだ排便機能が成熟していないためですが、1歳を過ぎて以降においては、排便時の痛みの経験から便意を感じても排便を我慢してしまうことがきっかけになることが多いようです。浣腸により早めの排便を促すことで解決することも多いのですが、時には長期的に内服薬が必要になる場合もあります。4歳ころには排便機能が整うので、そのころには解決することがほとんどです。
 おしっこに関する相談は、やはり集団生活が始まる3歳前後のころが多いように思います。自分の意志で排尿をコントロールできるようになるのは2~4歳と幅があり、個人差が大きいものです。4~5歳までには昼間のおもらしがなくなるとされています。そして5歳ころにはおねしょ(夜尿)も解消していきます。これには睡眠パターンの成熟も関係しています。夜尿症の定義は「5歳以上の小児の就寝中の間欠的尿失禁で、1か月に1回以上の夜尿が3か月以上続くもの」とされています。夜間多尿、排尿筋過活動、覚醒閾値の上昇が三大要因で、一つあるいは複数の要因が関与していて、補助的な要因として発達の遅れ、遺伝的素因があげられています。5歳で5人に1人、10歳でも20人に1人ぐらいに認められます。規則正しい生活、夕食後の水分摂取を控える、寝る前に必ずトイレに行く、など生活改善の対処で良くならない場合は、原因検索とそれに応じた治療が必要となります。
 以上のような内容のことをお話させていただきました。お子様に関することで気になることがあれば、気軽にご相談ください。 次回は4月7日(金)の予定です。詳細は後日お知らせします。  (2017.3.27.)