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ブログ思うこと赤ちゃん
赤ちゃんとの生活のなかで、困ったときに相談できる場所を
院長です。
このたび、専門外来のひとつとして、生後6か月までの赤ちゃんを対象とした「赤ちゃん外来」と、生後12か月までの赤ちゃんを対象とした「電話・メール相談」を始めました。
今回は、なぜこのような取り組みを始めようと思ったのか、その理由について少しお話ししたいと思います。
少子化が進む一方で、お産を取り扱う施設の数は、長期にわたって減少しています。
厚生労働省の資料によると、1996年には全国で約4,000施設あった分娩取扱施設(病院・診療所)は、現在ではその半数以下になっています。
その一方で、安全な周産期医療体制を維持するため、地域の基幹病院などへ分娩機能を集約していく動きも進んでいます。
こうした周産期医療を取り巻く環境の変化のなかで、わたしが以前から気になっていたことがあります。
それは、出産後、お母さんと赤ちゃんが病院や産婦人科クリニックで過ごす時間が、以前より短くなっているように感じることです。
わたしが開業医となった25年ほど前、産婦人科クリニックでは、初産婦さんの場合、分娩当日を0日目として5日目に退院する施設が多かったと記憶しています。
最近では、4日目に退院されるお母さんと赤ちゃんに出会うことも多くなりました。
もちろん、入院期間は施設や地域、お母さんと赤ちゃんの状態によって異なりますので、一概には言えません。しかし、小児科の診療を通してお母さんと赤ちゃんを見ていると、以前より早い時期から自宅での育児が始まっていると感じることが増えています。
日本ではこれまで、出産後の入院期間は、お母さんの体を休めるだけでなく、赤ちゃんとの生活を始めるための大切な準備期間でもありました。
授乳の仕方、抱っこの仕方、赤ちゃんの泣き方や眠り方、うんちやおしっこのこと、沐浴やスキンケアなど――。
初めて赤ちゃんを育てるお母さんも、助産師さんたちに教えてもらい、実際に経験しながら、少しずつ赤ちゃんとの生活に慣れてから自宅へ戻っていました。
ところが、入院期間が短くなれば、それだけ育児について教えてもらったり、分からないことを尋ねたりする時間も限られてきます。
「もう少し聞いておきたかった」
「家に帰ってから、分からないことが次々に出てきた」
そんなお母さんたちの声を、診療のなかで耳にすることもあります。
「たった1日の違い」と思われるかもしれません。
しかし、生まれて間もない赤ちゃんは、1日ごとに変化します。授乳の様子も、体重も、便や尿も、眠り方も変わっていきます。
そして、お母さんやお父さんにとっても、赤ちゃんとの生活が始まると、新しい疑問が次々と出てきます。
「母乳やミルクは足りているのかな」
「体重はちゃんと増えているのかな」
「こんなに泣くのは普通なのかな」
「うんちが出ないけれど大丈夫?」
「この湿疹は受診した方がいい?」
「この寝かせ方でいいのかな」
一つひとつは小さな疑問に見えても、それがいくつも重なると、育児への大きな不安につながることがあります。
今は、分からないことがあれば、スマートフォンですぐに調べることができる時代です。SNSにも、赤ちゃんの育児に関するたくさんの情報があふれています。
これはとても便利なことですが、その一方で、SNSなどで発信されている情報は玉石混交で、必ずしも医学的に正しいものばかりとは限りません。
同じことを調べても、まったく反対のことが書かれていることもあります。
「いったい、どれを信じればいいのだろう」
情報が少なくて困るのではなく、情報が多すぎるために迷ってしまう。今の子育てには、以前とは違う、そんな難しさもあるように思います。
そして、インターネットで一般的な情報を得ることと、目の前の「わが子」について相談することは、やはり違います。
では、退院して自宅での生活が始まったあと、
「こんなことを聞いてもいいのかな」
と思うような小さな疑問でも、気軽に相談できる場所をつくることはできないだろうか。
そんな思いから、「赤ちゃん外来」と「電話・メール相談」を始めることにしました。
「赤ちゃん外来」は、生後6か月までの赤ちゃんが対象です。
生まれてから半年ほどの間は、授乳、体重増加、便秘、湿疹、睡眠、泣き方、発達など、育児についてさまざまな疑問が生まれる時期です。
病気を診るためだけではなく、
「ちょっと気になっている」
「これでいいのか聞いてみたい」
「一度ゆっくり相談してみたい」
そんなときにも利用していただける外来にしたいと考えています。
また、生後12か月までの赤ちゃんについては、「電話・メール相談」もご利用いただけます。
「受診するほどではないけれど、少し困っている」
「病院を受診した方がよいのか分からない」
「まだ生後間もないので、できれば外出せずに相談したい」
そんなときには、無理に受診していただかなくても、まず電話やメールで相談していただければと思います。
もちろん、相談の内容から診察が必要と判断した場合には、受診をおすすめします。
わたしはこれまで、数多くのお産に立ち会い、生まれた直後から、その後の赤ちゃんの成長を継続して見守ってきました。
そのなかで、お母さんやお父さんから、本当にたくさんの質問を受けてきました。
教科書に書いてあることだけでは答えられないこともたくさんありました。そのたびに一緒に考え、赤ちゃんをみながら答えを探してきました。
これまで小児科医として得てきた知識と経験、そして何より、これまで出会った数多くの赤ちゃんとご家族から教えていただいたことを、これからの子育てに少しでも役立てることができればと思っています。
「こんなことを聞いてもいいのかな」と思うようなことでも構いません。
どうぞ気兼ねなく、「赤ちゃん外来」「電話・メール相談」をご利用ください。
お待ちしています。