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感染症
りんご病の流行
院長です。りんご病(伝染性紅斑)については、昨年末にこのブログでもお伝えしましたが、最近になり、りんご病で受診される方が多く、追記(太字の部分)・一部改変の上、改めてこのブログでお伝えしたいと思います。
りんご病は、パルボウイルスB19が原因です。10〜20日の潜伏期間の後、頬に境界鮮明な紅い発疹が出現し、その後、上腕や大腿部に網目状・レ−ス状などと表現される発疹がみられます。発疹はかゆみを伴うことがあり、運動、温熱、摩擦などにより増強することがあります。頭痛、かぜ症状、筋肉痛、関節痛、胃腸症状を伴うことがあり、特に成人で多いとされています。発疹が四肢のみで頬にはっきりしないこともあります(特に年長者)。頬に発疹が出現する7〜10日くらい前に風邪のような症状がみられることが多く、この時期にウイルスの排泄量が最も多くなります。感染力が強く、1人から6~8人に広がる可能性があります(インフルエンザでは、1~2人程度)。つまり症状が出る前から、うつる可能性があるということです。発疹が現れたときにはウイルスの排泄はほとんどなく、感染力はほぼ消失しています。発疹は1週間程度で消失し、ほとんどの場合自然に回復します。
しかし、妊婦さんが感染した場合は注意が必要です。流産や胎児貧血、子宮内死亡を引き起こす可能性があり、特に妊娠20週までの感染は要注意とされています。
このウイルスにはワクチンはありません。飛沫感染や接触感染によってうつるので、日頃からの感染対策(人込みではマスクをする、食器などを共有しない、よく手を洗う、など)を徹底することが大切です。感染が⼼配な妊婦さんは、医療機関に問い合わせて抗体検査や超⾳波検査を受けることをお勧めします。
発疹が出るころにはウイルスの感染力はなくなるため、登園・登校は可能です。
まだしばらく流行は続きそうです。感染対策を心がけてください。疑わしい発疹がみられた時には、一度受診してください。