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子供の「アデノウイルス感染症」について

院長です。

当院のある山城南地区では、プール熱(咽頭結膜熱)の流行がみられているようです。今回は、プール熱の原因であるアデノウイルス感染症についてお伝えしたいと思います。
(ポイントを動画にまとめていますので、こちらもあわせてご覧ください。)

【アデノウイルスとは】

アデノウイルスは、風邪や目の感染症、胃腸炎などさまざまな症状を引き起こすウイルスです。特に乳幼児や小児に感染しやすく、集団生活の場で広がりやすいです。
なかでもプール熱とはやり目が有名です。
プール熱は正式には咽頭結膜熱といい、発熱、咽頭痛に加えて結膜炎を起こします。
はやり目は流行性角結膜炎といい、発熱や咽頭痛は伴いません。
アデノウイルス感染症は、上気道炎(一般的な風邪症状)以外に、下痢や膀胱炎を起こすものもあります。

【主な症状】

アデノウイルスに感染すると、以下のような症状が現れます。

  1. 発熱(高熱が続くことが多い)
  2. 咽頭炎・扁桃炎(のどの痛み、赤み)
  3. 結膜炎(目の充血、目やに)
  4. 胃腸炎(下痢、嘔吐、腹痛)
  5. 膀胱炎(排尿時痛、頻尿)
  6. 肺炎(まれだが重症化することもあり)

【感染経路】

アデノウイルスは以下の方法で感染します。

  • 飛沫感染(せき・くしゃみ)
  • 接触感染(ウイルスが付着した手や物を触れる)
  • 糞口感染(便から口への感染)

【潜伏期間】

  • 2~14日程度で発症します。
  • 発症前から感染力があり、回復後も数週間ウイルスが排泄され続けることがあります(特に便中)。

【治療方法】

  • 現在、アデノウイルスには特効薬はありません
  • 主に対症療法を行います。
      解熱剤(高熱がつらい場合)
      水分補給(脱水予防)
      点眼薬(結膜炎の場合)

※症状が重い場合(肺炎や胃腸炎の悪化など)は入院治療が必要な場合もあります。

【予防方法】

  • 手洗い:石けんと流水でしっかり手を洗いましょう。
  • 目やに・鼻水を触らない:目や鼻を触った後は必ず手を洗い、タオルを共用しないようにしましょう。

【登園・登校の目安】

 学校保健安全法に基づき、プール熱は「発熱、咽頭炎、結膜炎等の主要症状が消退した後2日を経過するまで」、はやり目は「医師において感染のおそれが無いと認められるまで」、出席停止となります。

【注意点】

  • 高熱が続く場合や、元気がない、呼吸が苦しそうな場合は、早めに小児科を受診してください。
  • 一度アデノウイルスにかかっても、他の型に再感染することがあるため、引き続き予防が重要です。

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