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おはなし会:『発達障害』について
院長です。
昨日5月22日の午後、今月のおはなし会を開催しました。今月のテーマは「発達障害」でした。(医学的には、現在は「神経発達症」と呼ばれていますが、ここでは「発達障害」と呼ぶことにします)
発達障害には、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(学習障害)、協調運動症、知的能力障害(知的障害)などが含まれます。今回は、発達障害全般のことについてお話ししました。
発達障害は脳機能の偏りが原因であり、育児や教育が原因ではありません。脳機能の偏りのため、成長に伴って自然に伸びてくるはずの脳の精神機能がなかなか伸びてこず物事のとらえかたや行動のパターンに違いが生じ、そのために日常生活に支障のある状態です。つまり発達の凸凹があることで日常生活に困りごとが生じている状態、ということです。発達の伸びにくさからくる日常生活上の困難は、自尊心の低下やうつ病・不安症などの心の健康問題の生じやすさにもつながります。
支援の目標は、特性を治す・矯正することではなく、特性を持ちながらも支障なく生活できることです。具体的には、「小さな良い変化を見つけて褒める」、「難しいことは手伝う」、こういったことの繰り返しの中でやるべき行動が定着し日々の生活が改善していくこと。そして、それぞれの社会参加が可能となり、幸せな時間を過ごせるようになることです。「できた!」という成功体験の積み重ねが重要なのです。
次回のおはなし会は、6月20日(金)に開催します。発達障害の個々の疾患の特徴についてお話しする予定です。詳しいことが決まりましたら改めてお知らせしますので、ご都合のつく方は、是非ご参加ください。