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赤ちゃん
『出生前コンサルト小児科医』
院長です。今回は、出生前コンサルト小児科医とNIPTについてお伝えしたいと思います。
NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)とは
出生前にお腹の中の赤ちゃんが染色体疾患をもっているかどうかを検査する方法として、NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)があります。妊婦の血液を調べるだけで、お腹の中の赤ちゃんに13、18、21番染色体のトリソミー(本来2本で1対の染色体が3本になることで起こる染色体異常)をもつ可能性をみるための検査です。結果は「陽性」、「陰性」、または「判定保留」と報告されます。「陽性」とはその疾患の可能性が高いという意味です。検査の特徴として、結果が「陰性」という判定であれば、ほぼ間違いがない(99.9%その疾患の可能性は無い)ということになります。一方で陽性という結果となった場合、本当に陽性である確率は80%となっています。つまり陽性と判定された場合でも、実際には異常がない可能性が20%残ります。NIPT は精度の高い検査ですが、染色体疾患の可能性を判定しているにすぎません。そのため確定検査として羊水穿刺によって羊水を採取し、胎児の染色体数を確認する必要があります。
NIPTの導入と問題点
NIPTは2013年に日本に導入されました。当初は遺伝カウンセリングが実施できるなどの条件をクリアした認証施設だけで行うことができる検査でしたが、NIPTを希望する妊婦が増加し、非認証施設が数多く参入する状況になりました。非認証施設の中には遺伝カウンセリングや適切な情報提供を行わないなど商業的で不適切な運用を行っている施設もあり、多くの問題が明らかとなりました。
出生前コンサルト小児科医として
このような状況を改善するためNIPTの新たな指針が出され、その中でNIPTを行う施設(基幹施設および連携施設:従来の認証施設)は、日本小児科学会が指定する専門医と連携することが求められることとなりました。この日本小児科学会が指定する専門医が、出生前コンサルト小児科医です。
わたしは、新生児科医として、そして開業小児科医となってからも染色体異常をもって生まれてきた子供と家族に数多く接してきました。われわれ小児科医はあくまでも子供の代弁者であり、出生前コンサルト小児科医は、染色体異常をもって生まれてきた子供たちの現状(成育過程、社会での生活、福祉サポートの現実、など)を説明することができます。当院では、わたしが出生前コンサルト小児科医として、十分な情報を提供し、NIPTについて悩んだりこの検査を受けるかどうか迷ったりしているお母さんやご家族に、具体性をもって説明しNIPTについて理解を深めてもらう場を設けています。
『出生前コンサルト小児科医による相談外来』
内容:NIPTに関すること
日時:できる限りご両親にご説明したいと考えています。日時は個別に相談させていただきます。
予約:当院までお電話ください。
費用:1回5500円(消費税込み/原則1時間まで)