先日のおはなし会

 院長です。報告が遅くなりましたが、6月10日(金)の午後は、今月のおはなし会でした。テーマは「当院が行う母乳育児支援、そしてお産とのかかわり」でした。初めに、産科との協働開業時代(創愛クリニック)から現在に至るまでの経緯を、母乳育児支援に関することを中心にお話しました。お母さんと赤ちゃんに「指導」するのではなく、それぞれのお母さんと赤ちゃんに合った「支援」が必要であること、母乳育児を進める上で、お産の状況が大きく影響することなどをお話し、それらの経験から現在の助産院を併設するにクリニックに至った経過をお話しました。
 7組のお母さん・お子さんが参加してくださったのですが、皆さん創愛クリニックのことをほとんどご存じなく、時の流れの早さを感じました。そういうこともあり、今回は母乳育児やお産に関して、医学的な側面からだけではなく、私自身の思いも交えつつお話させていただきました。その意味で、私にとっても貴重な機会となりました。その後は1時間くらい、皆さんからの質問にお答えしていったのですが、母乳育児に関することだけではなく、発育に関すること、離乳食のことなど、いつもの事なのですが根拠のない情報や噂などで、お母さん方が混乱していることがよく分かりました。今日お答えさせていただいたことが皆さんの共通認識となって、日々の不安の解消につながればと思いました。
 母乳で育てること、それは赤ちゃんの立場で考えれば当然のことと考えています。しかし一方で、母乳だけで育てなければならない、というふうにも考えていません。お母さんの思いとは裏腹に、適切で充分な支援が得られないなど、母乳で育てることが難しい環境が存在していることも事実です。わが子の成長を喜び、共に過ごす時間をこころから楽しめることが大切で、母乳で育てることは、それをより充実したものにしてくれるのだろうと思います。当院での妊娠中からの一貫した支援により、より多くの方々にこのような経験をしていただきたいと願っています。 (2016.6.17.)