アトピー性皮膚炎と食物アレルギー

院長です。先日の新聞報道等でご存じの方も多いかと思いますが、国立成育医療研究センターのチームが、アトピー性皮膚炎の発症予防に関する研究についての発表を行いました。
  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141001-00000110-mai-sctch
発表内容のポイントをまとめると、以下のようになります。
・新生児期からの保湿剤塗布により、アトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することが分かった。
・アトピー性皮膚炎発症が、卵アレルギーの発症と関連することも確認された。
・今回の臨床研究の結果、乳児期のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーなどのアレルギー性疾患の発症誘因となることが示唆された。

これまでも生後早期からのスキンケア(皮膚の汚れを落とし、保湿をする)の重要性は強調してきたところです。現時点では、今回の結果がすべての赤ちゃんにもあてはまると確認されたわけではありませんが、生後早期から(湿疹ができてしまう前から)のスキンケアの重要性が再確認されたと言えるでしょう。基本的なスキンケアの方法は、以下の通りです。

スキンケアの原則
1)きれいにする
 石鹸を使って、顔を含む全身を優しく洗い流すことが肝心。手掌で洗い流すか、ガーゼタオル程度までがよいでしょう。石鹸を使うのは沐浴の時だけで、それ以外のケア時には、抑え拭きくらいで汚れを取り除けば十分です。強くこすったりしないでください。

2)保湿用クリーム・ローションを使う
 
汚れを落としたあと、できるだけ早く(5分以内に)保湿を行います。強く擦り込まないことがポイント。
 
肩から手指の間まで塗る。躯幹の腹側、背面全体に塗る。顔面も全部、口の周囲は汚れを拭いたらその都度塗る。

このようなケアを1日最低2回継続してあげてください。スキンケアを十分に行っていても湿疹が悪化する場合は受診してください。

 


最後にお知らせです。今年も健康講演会でお話しする機会をいただきました。今年は、上記の研究結果の詳しい内容や、具体的なスキンケアの方法などについても触れたいと思っています。是非ご参加ください。

 日時:11月6日(木) 午後1時30分~2時30分
 テーマ:乳児アトピー性皮膚炎と食物アレルギー ~アトピー性皮膚炎は予防できる?~
 場所:精華町保健センター
 お申込み・お問い合わせ:精華町役場、健康推進課まで(TEL 0774-95-1905)
  参加希望の方は、講演会の前日までにお申し込みください。

(2014.10.7.)