院長です。もう12月、時間が経つのが本当に早いですね。
ご報告が遅くなりましたが、1か月前にうちの助産院(悠育助産院)で、元気な赤ちゃんが生まれました。
早朝に陣痛が始まり、お母さんに入院していただいたのですが、その後に陣痛が弱くなってしまいました。陣痛さえ強くなればすぐにでも生まれそうな状態が丸1日続き、生まれたのは入院翌日の午後のことでした。
なぜ陣痛が弱くなったのか、お産がなかなか進まなかったのか、結局原因は分かりませんでした。胎児心拍モニターで、赤ちゃんが元気であることは、何度も確認していました。
生まれた赤ちゃんはとても元気で、そして、傷ひとつなくとてもきれいでした。赤ちゃんにとっていちばん良いタイミングで生まれてきたことを、はっきりと感じ取ることが出来ました。その姿を見て、強くなった陣痛が一旦弱まったのは、赤ちゃんを守るための合目的なものであったのだと感じました。
これまで数多くのお産に立ち会ってきて感じているのは、生まれたばかりの赤ちゃんを見れば、おなかの中の環境が赤ちゃんにとってどうであったか、お産が赤ちゃんにとってどのくらいの負担であったか、それらをはっきりと感じ取ることができるということです。赤ちゃんは全身で表現してくれています。今回のお産では、もしも医療が介入したりすることで(たとえば薬で陣痛を強くすること)陣痛が強くなり、1日前に生まれていたとすれば、それはきっと赤ちゃんにとって、大きな負担になったであろうと思います。
お産は、お母さんと赤ちゃんとの間でホルモンなどの働きを通してやり取りする中で、進むものです。医療の介入が必要かどうかを適切に判断することが出来る限り、自然の流れに沿ってその時を待つことが、お母さんにとっても赤ちゃんにとっても一番良いタイミングで生まれることにつながるのだと、今回のお産を通して改めて感じることが出来ました。 (2022.12.4.)