ご無沙汰しております。院長です。
一部でいわゆる”りんご病”(正式には「伝染性紅斑」といいます)が流行しているようです。先週あたりから、受診される方が多くおられます。
りんご病は、厚生労働省から出されている”保育所における感染症対策ガイドライン(2018年度版)”によれば、「医師の診断を受け、保護者が登園届を記入することが考えられる感染症」に分類されています。詳しい説明は、以下のとおりです(クリックしていただけると、説明を見ていただけます)。
りんご病において感染力が強いのは「発しんが出現する前のウイルス血症(ウイルスが血液中に存在している状態)を起こしている時期」であり、「発しんが出現する時期には抗体が産生されており、感染の危険性はなくなる」ので、気づいた時には既に感染力はありません。つまり、発疹が出てきて”りんご病”と診断された時点で、病気としては治癒に近い状態で、少なくとも他の人に感染する危険性はありません。したがって、りんご病と診断されたお子さんを隔離する(登園停止にする)必要はありません。
問題となるのは、妊娠中の方との接触です。特に妊娠中のお母さんのお子さんがりんご病と診断された場合、お母さんに感染する危険性があるのですが、りんご病の原因であるウイルスは、胎児に影響を及ぼす危険性があります。このような場合には、必ず産婦人科の医師に報告してください。気になることがあれば、いつでもご相談ください。(2019.10.4.)