先日の「小児科の先生とおはなししよう」:あせも・日焼け対策

 院長です。報告が遅くなりましたが、7月20日に今月の「小児科の先生とおはなししよう」を開催しました。その日お話した内容のうち、今日は「あせも」「日焼け対策」について書きたいと思います。 
 あせも(汗疹)は、「一気に多量の発汗があり、かつ汗が蒸発しにくい環境で、細い汗腺での汗の通過が相対的に滞り、あるいは閉塞し、汗管内に汗が貯留し周囲組織に漏れ出るために生じる」と定義されます。つまり、汗の出口が何らかの原因で詰まってしまい、汗が外に出られずに汗管内に溜まり、周囲の皮膚に漏れ出ることによって起こるものです。いくつかのタイプがありますが、一番多いのは「紅色汗疹」と呼ばれるもので、汗が表皮内に漏れ出ることにより炎症を起こし、赤くかゆみを伴う発疹となり、掻くことにより悪化していくものです。対策としては、基本のスキンケアをしっかり行うことです。汗をかいた後は、すぐにふき取ったりシャワーを浴びるなどして着替えることが望ましく、衣類や下着・寝具は、通気性と吸湿性に優れる木綿性が良いとされています。高温多湿の夏は乾燥による皮膚トラブルは少なくなりますが、市販のローションや乳液で構いませんので、お風呂上りと起床後に加えて、昼間も汗をたくさんかいたら、こまめにスキンケアを行っていただきたいと思います。
 日焼け対策については、すぐに思い浮かぶのが「日焼け止め」かもしれませんね。しかし、1歳になるまでの乳児には、基本的に使えません。ですので、共通した一番の対策は、物理的に直射日光を避けること、になります。1歳以上になれば、日焼け止めは使用していただけます。短時間の外出くらいであれば、日よけ対策で十分です。一定の時間、続けて外で過ごす場合に、日焼け止めの使用を考えましょう。使用する場合は、汗や時間経過による効力の減弱を防ぐため、2~3時間ごとに重ね塗りすることが必要です。そして帰宅後は、速やかに洗い流すかふき取りましょう。選ぶ際には、紫外線吸収剤を含まない「ノンケミカル」といわれる製品が推奨されます。そのほか、「無香料・無着色」「アルコール・防腐剤無添加」「鉱物油無添加」「弱酸性基剤」などが推奨されます。因みにSPF値は、「20分×SPF値=日光が当たっても日焼けを生じない時間(分)」を示すものです。PA値は、「紫外線による色素沈着をどれだけ防ぐか」を示す値です。
 これまでの常識が覆されるのではないかと思うくらいの猛暑が続いています。次回は、もう一つのテーマだった熱中症対策、特に水分摂取の仕方について述べたいと思います。 (2018.7.29.)