通説を疑ってみよう

 院長です。今週の「小児科の先生とおはなししよう」について。
 「子どもを育てる」上で、特に初めてのお子さんの時にはすべてが初めての経験ですから、目の前の問題にどう対処すればいいのかわからずに困ったということは、皆さん少なからずあるのではないかと思います。問題の解決のためには何がしかのアドバイスや情報が必要となりますが、皆さんはどこでそれを得ているでしょうか。昔は親や近所の人、友人、そして育児書から得ることが多かったのだろうと思いますが、最近はそれらに加えてインターネットという強力なツールがありますから、それを使って簡単に検索することが可能となっています。そこで得られる情報の多くはいわゆる「通説」であって、一般的に「正しい」と思われているものです。ネット上でどのような情報が流れているのか僕も時々覗いてみるのですが、必ずしも正しいと言えるものばかりではない、というのが実状です。同じ事柄で検索しても、全く正反対の情報が得られることもしばしば。親御さんが本当に必要な情報を選択することは難しく、混乱するのも無理はありません。既に改められ古くなってしまった考えが、今もなお当然のことのように扱われていることもあり、それが医療従事者からの発信であったりもするのです。
 
子どもの発達・発育に関することについては、個人差が大きいのでその子に合わせた細やかな対応が必要です。「通説」や「標準」とされるものから少し離れていたら、医学的に問題が無いかどうかの確認をした上で、最低限の助言とともに、時間をかけてこまめに経過を追っていけばよいのです。これが誰にでもあてはまる正解だ、というものは無いと言ってもよいくらいです。
 
私からもさまざまな場面を通して、情報発信していきたいと思っています。今週末の「おはなし会」が、皆さんの疑問や悩みの解決に少しでも役立てばと思っています。ご都合の合う方は、是非ご参加ください。また、このホームページには、「お問い合わせ」のページがあります(右上にバナーがあります)。可能な範囲で個別にお答えさせていただいていますので、こちらもご利用ください。 (2016.5.15.)