正しいことを伝えたい

院長です。
 先日、脳科学者の茂木健一郎さんがツイッターで、「学習はオープンエンドである」という書き込みをされていました。一言で言えば、学習というものに終わりはなく、その成果はテストの点数で評価するものではないという内容で、腑に落ちるものでした。少し意味合いは違いますが、医療者は日進月歩の医療に関する新しい情報を常に得る努力を行い、それを日常の診療に反映しなければなりません。新しいことを学ぶ努力を怠ることは、患者さんの不利益につながってしまいます。
 
インターネットの発達で、様々な医療情報が簡単に手に入るようになり、親御さんが持つ情報量も相当なものとなっています。そういった多くの情報の中から、本当に必要なものを選び取ることは必ずしも容易でなく、医療者に求められているものの中には、まさにその役割も含まれているのだろうと思います。
 
たとえば、授乳や離乳食に関することは、7年前に国から新しいガイドラインが出され、それに沿って進められていますが、このガイドラインが医療者に周知されるまで、かなりの時間がかかりました。そして、一部ではありますが今もなお、健診などで“古いやり方を指導”され混乱し、相談に来られる方が後を絶ちません。小児科医に関して言えば、疾患や治療に関することに比較して、特にこのような小児保健に関することに関心が薄い人が多いように感じます。親御さんだけではなく、他の職種(看護師、保健師、助産師など)の方に対しても影響力が大きい立場なのですが…。
 
今週行う「小児科の先生とおはなししよう」は、このような状況から考えだされた企画です。ざっくばらんに何でも聞いていただきたいと思っています。普段の診療の場ではなかなかお話しする時間がない事や、普段の生活に役立つ新たな情報などをお伝えできればと思っています。ご参加をお待ちしています。(2014.9.15.)