院長です。時々相談されることとして、離乳食の事があります。
1995年に出された「改訂離乳食の手引き(以下、手引き)」が長年にわたり離乳食の指針とされてきましたが、はっきり言って赤ちゃんの実状には合っていないものでした。そのあたりの事を、地元の保健師さんたちと勉強会を開いてお伝えしたこともありましたが、手引きに書かれている以外の事を健診で伝えることは難しいようで、なかなか状況は改善しませんでした。ようやく2007年に厚生労働省から「授乳・離乳の支援ガイド(以下、ガイド)」が出され、それまでの手引きに比べるとかなりの改善があり、私自身も説明しやすくなりました。ただ、このガイドがすべての医療従事者に周知徹底されたかというと、必ずしもそうとは言えません。明らかに手引きに準じた説明を受けて、その後に相談に来られる方が今もおられます。
私がお母さんに説明するときのポイントは、以下の通りです。
①離乳食の量も授乳の量も、赤ちゃんの欲求に合わせる。
②お母さんの食事の時に、赤ちゃんも一緒に食べる。赤ちゃんの食事の時間を別に設けることはしない。
③普段の家族の食事を基本とする。分け与えるのであって、わざわざ別の物を作らない。
家族一緒に食事ができるようになるまでの移行期の食事が離乳食ですから、その基本は各家庭での食事になります。そこを基本として考えていけばいいのです。離乳食について悩んでいる方がおられましたら、赤ちゃん外来で基本的な考え方などをお話しできますので、一度ご予約ください。
(ご要望が多いようであれば、将来的には離乳食教室のようなものも考えていきたいと思っています。)
(2014.3.20.)