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精華町健康講演会でお話ししました:デジタルメディアと子供の育ち①
院長です。
9月17日に、精華町の健康講演会で、「デジタルメディアと子どもの育ち」というテーマでお話しさせていただきました。その内容の一部を、このブログでもお伝えしたいと思います。
オーストラリアでは昨年12月に、16歳未満の子どもがSNSを利用することを禁止する法律が成立し、今年12月に施行される予定となっています。先日の報道によれば、この法律について、インスタグラムやTikTokなどに加えて、動画投稿サイトのYouTubeも禁止の対象に加えられるようです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250730/k10014879701000.html
フランス、オランダ、イタリア、ニュージーランドなどでは、すでに学校でのスマホ使用を禁止または制限しており、アメリカでも、州によっては学校でのスマホの使用を制限または禁止する法律が可決されています。なぜこのようなことが起こっているのでしょうか。
世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、インターネット・ゲームなどのスクリーン時間を、2歳未満は無し、2~4歳は1時間未満(少ないほど良い)とされており、日本小児科医会からの提言でも同様の内容となっています。
アメリカ小児科学会の勧告はもう少し厳しくなっており、
- 1歳半までは使用を避ける(遠い家族とのビデオチャットのみ可)
- 1歳半から2歳までは、良質の内容を選び1日1時間までとし、理解を手助けするために一緒に使用する(1人では使わせない)
- 2歳以降は、良質の内容を選び1日1時間までとし、親子のやり取りを増やし時間を制限するために一緒に使用する
- 大人は、子供と遊ぶ時、食事中、寝室では、デバイスを使わない
とされています。
日本での2歳未満の子供たちの、インターネット(デジタルメディア)の使用状況はどうなっているのでしょうか。「令和6年度青少年のインターネット利用環境実態調査」の結果によると、1歳の子供のインターネット利用時間は、平均で102分となっており、そのうち約17%は1日に3時間以上利用していました。
ここで、エコチル調査の結果の一部をご紹介したいと思います。エコチル調査とは、2010年度に日本で始まったもので、全国10万人の妊婦さんにお願いして、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときから健康状態を定期的に調べる、出生コーホート(集団を追跡する)調査です。公開されている調査結果から、デジタルメディアの子供への影響を調べた調査の結果のいくつかをまとめてみました。
これらの結果をみると、WHOや日本小児科医会、アメリカ小児科学会の提言・勧告が、根拠に基づくものであると考えられます。
乳幼児期(特に2歳未満)は、発達の感受性期です。脳が急速に発達する時期であり、さまざまな発達の基礎の時期です(対人関係:基本的信頼感・愛着形成、言語、情緒、認知、社会性、視力、日内リズム、身体能力 など)。そして、健康的な生活習慣確立の時期でもあります(乳幼児期の生活習慣はその後も持続)。この時期のデジタルメディアの使用は、感受性期における子供の心身の発達に大切な時間と体験を奪ってしまう、という意味があるのです。
今回はここまでにしたいと思います。次回は、青少年への影響、特に学力への影響と、最近話題になっているデジタル教科書についてお伝えしたいと思います。