Blog
ブログ
予防接種感染症
麻疹の流行:ワクチンの追加接種は必要?
院長です。
麻疹(はしか)が全国的に流行していることは、報道などでご存知の方も多いと思います。最新のデータは、以下の通りです。実際のデータをみると、関東地方を中心に流行していることが分かります。



麻疹の特徴と日本における状況
麻疹は感染力が非常に強く、空気感染や飛沫感染で拡がっていきます。マスクや手洗いで感染を防ぐことはできません。ウイルス感染であり特別な治療薬は無く、発熱は1週間前後続きますが、症状に合わせた対症療法で回復を待つことになります。
日本での2000年前後の流行では、年間約20~30人の死亡が報告されていました。麻疹ワクチンの2回接種がすすめられたことで流行は抑えられるようになり、2015年3月にWHOから、麻疹の排除状態にあることが認定されました。その後は、海外からの輸入例と、輸入例からの感染事例のみを認める状況となっています。今回の流行も、海外で感染された方からの拡がりだと考えられています。
麻疹ワクチンの追加接種について
唯一の有効な予防法はワクチンの接種によって麻疹ウイルスに対する免疫を獲得することであり、2回のワクチン接種により、麻疹発症のリスクを最小限に抑えることが期待できます。またワクチン接種後に感染した場合でも、「修飾麻疹」といって症状が軽くなることが知られています。重い合併症(肺炎や脳炎)のリスクも大きく下がります。
1990年4月2日以降に生まれた方は、麻疹ワクチンの定期接種が2回となった世代ですので、2回接種が済んでいれば更なる追加接種は不要です。誕生日が1965年以前の方は自然感染の可能性が大きく、追加接種は不要と考えられます。これらふたつのグループの間の期間に生まれた方は、ワクチン接種無しか1回接種の世代ですので、麻疹に罹っていなければ免疫が不十分である可能性が大きいと考えられます。
麻疹に罹ったことがなく、2回のワクチン接種を受ける機会がなかった方で、特に医療関係者や児童福祉施設等の職員、学校などの職員など、麻疹にかかるリスクが高い方や麻疹にかかることで周りへの影響が大きい場合、流行国に渡航するような場合は、2回目の麻疹ワクチン接種をお勧めします。2回のワクチン接種が確認できれば、追加接種は不要です。
現在、子供たちの麻疹ワクチンの接種は、MRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)で行われています。単独の麻疹ワクチンが入手できない場合、MRワクチンを接種しても効果に変わりは無く、風疹の予防にもつながるという利点があります。注意点としては、生ワクチンなので、妊娠されている場合は接種できないのと、妊娠されていない場合であっても、接種後2が月程度の避妊が必要となります。
まとめ
MRワクチンの2回目の定期接種は、小学校にあがる前の1年間が対象です。対象のお子さんは、速やかな接種をお勧めします。小学生以上のお子様については、母子健康手帳を確認していただき、2回の接種が完了していなければ、費用負担が生じますができるだけ早く接種することをお勧めします。ご両親については、麻疹に罹ったことが無く、麻疹ワクチンの2回接種が確認できない場合は、追加接種についてご相談ください。
1965年以前に生まれた ⇒ 追加接種は不要
1966年~1990年4月1日までに生まれた ⇒ 麻疹に罹っていなければ追加接種を推奨
1990年4月2日以降に生まれた ⇒ 2回のワクチン接種が確認できれば追加接種は不要