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ブログ思うこと赤ちゃん
これまでの歩みを振り返る その1
院長です。
先日の助産院でのお産についてのエントリーで、立ち会った時の思いを書きました(赤ちゃんが生まれました)。あの時、なぜそう感じたのか、そう思ったのかを考える中で、自分自身のこれまでの歩みを振り返っていました。
現在のクリニック・助産院が開業したのは、2012年10月です。もうすぐ14年になります。実は、わたしの開業医としての歩みは、2002年の11月に始まりました。もう20年以上前になります。医大同学年の産婦人科医と協働開業したのでした。

当時のクリニックの全景写真です。場所は精華台3丁目。ドラッグストアや歯科医院と同じ敷地内にありました。この建物は既に取り壊されて現在は駐車場になっています。1階向かって右側が小児科外来、左側が産婦人科外来、2階が産科病棟でした。ここで10年間、一般小児科診療と同時に、すべてのお産に立ち合い、入院中の赤ちゃんの管理、生後2週間健診、生後1か月健診、生後3か月健診を行っていました。
わたしはここで、およそ3000人の赤ちゃんの誕生に立ち会いました。お産には昼も夜もありません。待合室におられる方に協力をお願いして外来を一時ストップし、お産に立ち会い赤ちゃんが元気なことを確認して、すぐにまた外来に戻ったことは数えきれないくらいあります。真夜中の呼び出しも、日常茶飯事。お産に立ち会って帰宅後に、またすぐに呼び出されたり、夜中に3人の赤ちゃんが産まれて、そのまま朝の外来に突入、ということもありました。
すべてのお産に立ち会うことにしたのは、わたしの意思でした。24時間365日の拘束は、家族の理解がなければできないことでした。それはとてもしんどい日々でしたが、夜中に呼び出されても、出かけるのがイヤだと思ったことは不思議とありませんでした。若かったことが一番の要因だと思いますが、自分から望んでやっていること、やりたいことができている、という思いが一番大きかったのだと思います。
このクリニックの10年間で、数多くの赤ちゃんを、生まれた瞬間からみて、触れて、そしてその後の成長をつぶさにフォローアップできました。その間のお母さんの体の変化、心の変化にも、間近でふれることができました。この時の経験が、個人差の大きい赤ちゃんに関するさまざまなこと(授乳、体重増加、発育、発達、離乳食の進め方、など)について、自信をもってお伝えできる基盤となっています。
一緒に開業した産科医は、江國先生です。先生のクリニックは、今は京田辺市に移転されています。先生が居なければ、「一緒にやろう」と理解してくれなければ、わたしはこのような経験はできませんでした。今も心から感謝しています。
小児科医は実は、元気に生まれた赤ちゃんをみる機会がほとんどありません。病気では無いからです。そこは産科医にすべて丸投げし、問題が起こってから診る、というのが長らく小児科医の姿勢でした。最近になり、生後2週間健診や1か月健診を小児科医が行うようになってきていますが、お産に立ち会い生まれたての赤ちゃんをみている小児科医は、まず居ません。
赤ちゃんの発育・発達は、個人差が大きく、幅があります。本や雑誌、ネットの情報通りにはいかないことの方が多い。赤ちゃんの問題を早期に発見し治療につなげることは、小児科医の大きな役割のひとつですが、「お子さんは順調ですよ」と自信をもって保障し育児の後押しをすることもまた、小児科医の大切な役割だと思っています。
今後、何回かに分けて、これまでの歩みを振り返ってみたいと思います。どのくらいの回数、頻度になるのかは、まったく未定です。よろしければお付き合いをお願いします。