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せきが止まらない! どうしよう?

院長です。

 3月27日(金)に、今月の「おはなし会(小児科の先生とおはなししよう)」を開催しました。テーマは『こんなときどうしよう? 子供のホームケア』でした。今回このブログでは、「せきがとまらない! どうしよう?」という表題でお話しした内容についてお伝えしたいと思います。

咳は困ったものだけれど、大切な「防衛反応」

 子供の咳は、かぜの症状としてよくみられる一般的なものですが、咳によって眠れない、咳き込んで吐いてしまう、などの影響がみられることもあり、とても困ったものです。一方で咳は、外から入ってくるホコリやウイルス、そして気道内の分泌物を体外に排出し体を守る「防衛反応」でもあります。

かぜで咳はどのくらい続く?

 かぜが自然に改善するまでに、どのくらい咳はつづくのでしょうか。これまでの研究によれば、「かぜによる咳は、その50%が10日間持続し、10%が15日間持続する」とされています。つまり、かぜの時の咳は、2週間くらいかけて徐々に治っていくもの、というふうに考えていただければよいと思います。
 3歳くらいまでのお子さんの場合、集団生活の中で繰り返しかぜをひいてしまうことで、咳が2週間以上続くことはよくみられます。もちろん、かぜ以外の「ぜんそく」や「後鼻漏(鼻汁が喉の方に流れる)」などが原因の場合もあります。いずれにしても、2週間以上せきが続く場合は、小児科医の診察をおすすめします。

咳止めにまつわるさまざまな誤解

 小児のかぜに対する咳止め(鎮咳薬、鎮咳去痰薬)は、臨床研究でその効果は示されていません。症状を緩和することが出来る可能性はありますが、咳を止める効果は無いのです。効かないだけではなく、物によっては重大な副作用を起こす可能性があります。実際、米国では、4歳未満の小児に対する咳止め薬の使用は推奨されていません。
 お薬手帖を拝見すると、「咳止め」として、気管支拡張薬の貼付薬(ホクナリンテープ®、ツロブテロールテープ)が処方されていることがよくあります。このお薬は、寝る前に貼付して8時間くらいかけて徐々に効果を発揮し、朝方のぜんそく発作を予防しようというコンセプトで開発されたものです。頻脈などの副作用もあります。聴診して肺の音を確認しなければ、必要かどうかの判断はできません。少なくとも咳止めとしての処方は控えるべきでしょう。

咳の程度を軽くしてくれるもの 「はちみつ」と「ヴェポラッブ®」

 咳を軽くしてくれるものとして推奨されているものとして、「はちみつ」と「ヴェポラッブ®」があります。
 はちみつは、1歳以上の子供には、2~5mlくらいのはちみつ(ティースプーン 1杯くらい)を、そのまま、あるいはお湯に溶かして飲ませるとよいとされています。ただし、1歳未満は乳児ボツリヌス症の可能性があるので禁忌です。また、糖分を含むシロップやキャンディー(のど飴)は喉の粘膜を潤し保護する粘膜保護効果があり、咳を和らげると考えられています。
 ヴェポラッブ®は、胸から首にかけて塗布する方法を2歳以上に行うことで咳が和らぐという研究があり、一般に推奨されています。

咳のホームケアのポイント

加湿: 部屋の湿度を50〜60%に保つことで、気道の乾燥を防ぎ、痰を出しやすくします。

水分補給: 喉を湿らせ、痰の粘り気を下げます。

上半身を高くする: 寝る時にクッションなどで少し上体を起こすと、鼻水が喉に垂れ込むのを防ぎ、咳が楽になることがあります。

鼻水のケア:鼻水が喉に流れて咳がでることも多いので、こまめに吸い取ってあげてください。

受診の目安

 以下のような場合は、迷わず受診してください。

ゼーゼー、ヒューヒューと音がする

息を吸う時に、胸の骨の間やくぼみがペコペコ凹む

顔色が悪い、ぐったりしている

水分が全く摂れない

まとめ

 残念ながら、子供のかぜ症状としての咳を止めることが出来る薬はありません。医療機関で処方される薬は、あっても症状を緩和させる効果のみです。もちろん心配事やお困りの症状がある場合は、遠慮なく受診してください。

 かぜの咳は、いずれは必ず良くなります。機嫌が良く飲食ができていれば、あまり心配はありません。症状緩和のためのホームケアを行いながら、回復を待ちましょう。

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