- ホーム
- » 新しい小児肺炎球菌ワクチンと補助的追加接種
新しい小児肺炎球菌ワクチンと補助的追加接種
肺炎球菌感染症とは?
肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。集団生活が始まるとほとんどの子どもが持っているといわれています。肺炎、気管支炎、中耳炎などに加え、侵襲性肺炎球菌感染症【IPD:本来であれば菌が検出されない場所(血液や脳脊髄液など)から菌が検出される病気。髄膜炎、菌血症など】を起こすことがあります。特に、髄膜炎をきたした場合には2%の子どもが亡くなり、10%に難聴、精神の発達遅滞、四肢の麻痺、てんかんなどの後遺症を残すと言われています。 また、小さい子どもほど発症しやすく、特に0歳児でのリスクが高いとされています。細菌による感染症はペニシリンなどの抗生物質により治療しますが、近年は抗生物質が効かない薬剤耐性菌が増えているため、治療が困難になっているという問題があります。
庵原俊昭ほか:厚生労働科学研究費補助金[平成24年度報告書]
新しく開発されたHib、肺炎球菌、ロタウイルス、HPV等のワクチンの有効性、安全性並びにその投与方法に関する基礎的・臨床的研究
「小児細菌性髄膜炎および全身性感染症調査」に関する研究[全国調査結果]より作図
新しい小児用肺炎球菌ワクチンが導入されました
2013年11月1日より、従来の小児用肺炎球菌ワクチン(7価:PCV7)より、多くの型(肺炎球菌の種類)を含むワクチン(13価:PCV13)が、日本でも接種できるようになりました。PCV13には、従来のワクチンに含まれていた7つの肺炎球菌の型(種類)に新たに6種類が加わり、13種類の肺炎球菌感染症を予防できます。
PCV13には、現在、肺炎球菌による重い感染症の原因として日本で一番多い種類[19A型]が含まれています。PCV13は、従来のPCV7よりさらに30%程度、原因となる種類をカバーする割合が増えます。
小児用肺炎球菌ワクチンの接種方法
・これまでPCV7を接種していたお子さん
従来のスケジュールに従いPCV13に移行します。次回からPCV13の接種となります。
・新しく接種を開始するお子さん
最初からPCV13での接種を行います。
・すでにPCV7の接種を4回終えているお子さん
2013年10月までに肺炎球菌ワクチンの接種を終えた現在6歳未満のお子さんは、この新しいPCV13を接種すれば(補助的追加接種)、新たに6つの型に対する免疫もできるので、予防の範囲が広がります。任意接種ですので有料になりますが(¥10000)、PCV13の1回接種をお勧めします。ご希望の方は、電話で直接ご予約ください。
補助的追加接種の対象者
PCV7を接種完了した6歳未満の乳幼児
2013年11月22日