喫煙の妊娠・出産への影響③

 桑原です。9月になってようやく一時の猛暑は去り、朝晩が涼しくなり過ごしやすくなってきましたね。
 さて、今日は喫煙の胎児への影響について、現時点で分かっていることを述べたいと思います。
 一般に喫煙妊婦から生まれた児は、非喫煙妊婦から生まれた児より出生体重がおよそ200g軽くなります。また、1日10本以上喫煙する妊婦は非喫煙者に比べ、低出生体重児(出生体重2500g未満)の出産および早産のリスクが2倍大きくなり、1日7時間以上の受動喫煙でも、同様の危険性があるとされています。これは、胎盤を通して胎児に供給される栄養や酸素が、喫煙の影響で減少するためだと考えられます。
 また、以下のようなデータが示されています。
 ・口唇口蓋裂の発生率が最大2倍となる。
 ・死産率および乳児死亡率が約2倍となる。
 ・1日10本以上喫煙する母親から出生した子どもは、平均1.0㎝身長が低く、読書、数学お よび一般能力で、母親が非喫煙者の子どもに比べて3~5か月遅れている。

きつい言い方かもしれませんが、妊婦の喫煙および受動喫煙は、胎児の虐待に他ならないと思います。