院長です。
先日お伝えしましたが、“「新しい生活様式」の実践例”では、「外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを使用」とされています。
そもそもマスクを着用すべきなのは症状のある人(感染している人)であり、その人が飛沫をまき散らすことで、周囲の人に感染させないようにするために着用するものです。もちろんその効果は100%というわけではありませんが、ある程度の効果が期待できます。一方で、飛沫を吸い込まない効果はかなり限定的なので、マスクを着用することで飛沫を吸い込んで自分が感染するのを防ぐことは、あまり期待できません。
最近になり、熱中症予防の観点から、「夏期の気温・湿度が高い中でマスクを着用すると、熱中症のリスクが高くなるおそれがあります。このため、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、熱中症のリスクを考慮し、マスクをはずすようにしましょう。」と呼びかけられています。呼吸は体温調節の大事な役割を担っているのですが、マスクを着用することで体温を下げにくくなり、熱中症の危険性が大きくなるのです。乳幼児は特に体温を調節する能力が発達しておらず汗をかく機能が未熟なので、もともと体温を下げるのに時間がかかります。子どものマスクの着用は、大人以上に熱中症の危険性を大きくしてしまうのです。
文部科学省が発表した“学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル ~「学校の新しい生活様式」~”の中では、「学校教育活動の実施の可否やあり方は、児童生徒等及び教職員等の生活圏(児童生徒等、教職員及び保護者の通学・通勤圏や、発達段階に応じた日常的な行動範囲等)におけるまん延状況により判断することが重要です。」とされています。前回のブログでも触れましたが、近隣でのコロナウイルス感染者は、長らく報告されていません。近畿圏に範囲を広げても、新規感染者の報告のない日が多くなっています。このようなことを考慮すれば、この地域においては、少なくとも屋外でのマスクの着用は不要だと思います。
学校再開後、登下校時にマスクを着用している子どもたちを目にしますが、そろそろ外してあげてほしいなあ、と思っています。 (2020.6.9.)