院長です。
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因であるHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染を防ぐためのワクチンで、それにより子宮頸がんの罹患が予防されます。HPVワクチンは、平成25年4月から定期接種となりましたが(対象は小学6年生から高校1年生までの女子)、同年6月より積極的勧奨が差し控えられ、その後、接種率は激減していました(昨年までの経緯については、2020年10月27日の当院ブログをご覧ください)。昨年からは、個別の情報提供が再開され、ようやく令和4年4月から、積極的勧奨が再開されることとなりました。
一方で、HPVワクチンの積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方への対応が決まっていなかったのですが、昨日12月23日の会議において、そのような方に対して公平な接種機会を確保する観点から、令和4年4月から令和7年3月までの間、公費による接種が行われることとなりました。対象は平成9年度から17年度に生まれた方になります。
今後、接種対象者やその保護者の方々に、ワクチン接種に関する最新の知見や相談支援体制・医療体制、ワクチン接種の有効性や安全性(リスク)等についての情報提供を行い、接種対象者が接種を希望した場合に接種できるよう、具体的な方策が決められていくことになると思います。また、過去にワクチンを1回又は2回接種した後に接種を中断された方への対応については、まだ決まっておらず、今後の議論の中で決められることになると思います。このようなことに関する新たな情報が出されましたら、その都度お知らせします。 (2021.12.24)