院長です。新たに出された「授乳・離乳の支援ガイド」について、今回は食物アレルギーに関することについてお伝えしたいと思います。このガイドでは、以下のようなことが書かれています(太字の部分)。
・子どもの湿疹や食物アレルギー、ぜんそく等のアレルギー疾患の予防のために、妊娠及び授乳中の母親が特定の食品やサプリメントを過剰に摂取したり、避けたりすることに関する効果は示されていない。子どものアレルギー疾患予防のために、母親の食事は特定の食品を極端に避けたり、過剰に摂取する必要はない。バランスのよい食事が重要である。
・食物アレルギーの発症を心配して、離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はないことから、生後5~6か月頃から離乳を始めるように情報提供を行う。
・離乳を進めるに当たり、食物アレルギーが疑われる症状がみられた場合、自己判断で対応せずに、必ず医師の診断に基づいて進めることが必要である。
・食物アレルギーの診断がされている子どもについては、必要な栄養素等を過不足なく摂取できるよう、具体的な離乳食の提案が必要である。
このように、妊娠中や授乳中そして離乳食の開始にあたって、特定の食物の摂取を控えたり遅らせたりしても、アレルギー疾患の発症を予防することはできません。自己判断で食物摂取の制限をすることは、かえってアレルギー反応を増強する可能性があります。食物アレルギーが気になる場合は、必ず医師に相談の上、対応するようにしていただきたいと思います。 (2019.11.9.)