院長です。

皆さんも報道で御存じの通り、昨日から外国人の入国制限が大幅に緩和されました。この措置を心待ちにされていた方々もおられることと思います。しかし、現時点での緩和に、わたしは反対です。なぜ今なのか、分かりません。

新型コロナウイルスの国内での新規感染者数は、9月末で緊急事態宣言が解除されて以降も、減少傾向が続いています。主な国の新規感染者数の推移をみると、日本は他の国々に比べ感染者数が大幅に少ないことがわかります。

国内の感染状況が落ち着いた状況を維持し、元の日常に近い生活を取り戻しつつあるこの状況で、なぜ日本よりも流行している他国の人の入国制限を緩めるのでしょうか。目的は理解できますが、そのタイミングが今でなければならないことが理解できないのです。

緩和された後も入国には一定の制限があるとはいえ、ルールが順守されていることをチェックする機能があるようには思えません。一旦感染が持ち込まれ拡がれば、それを収束させるのが容易ではないことは、これまでの経験から明らかです。

ワクチン接種が進んでいるのにも関わらず感染が流行している国の状況をみると、感染が拡がっているのは、主としてワクチンを接種していない人たちです。当然そこには子どもが含まれます。子どもは重症化しにくいとされていますが、“しにくい”のであって、世界的にみれば重症化したり亡くなったりした例の報告はあるのです。

日本で流行が抑えられた状況が維持できているのは、ワクチン接種が進んでことが大きな要因であることは、誰もが認めることでしょう。しかし、11歳以下の子どもたちへの接種は、日本では検討が始まったばかりです。3回目の接種も、まだ始まってはいません。少なくとも、このようはワクチン接種が進んでから、制限を緩めるべきではないでしょうか。現状で感染が持ち込まれれば、ワクチンを接種できない人たち、子どもたちが犠牲になることは明らかです。

今後の更なる制限の緩和については、今回の緩和の、感染状況への影響を評価したうえで、段階的に慎重に行ってもらいたいと思います。 (2021.11.9)