今日は講演でした

院長です。

今日の午後は、産前・産後訪問支援員養成講座で講師としてお話ししてきました。これは京都府が主催する事業です。京都府では、妊娠中や出産後、「体調がすぐれないが、近くに協力者がいない」「気分が落ち込んでいる」「初めて子育てをするので不安」、というお母さんを、市町村とともに支える事業を実施しています。産前・産後訪問支援員は、産前・産後ケア専門員(乳児健診・家庭訪問等で把握する妊産婦のニーズに応じて、個別のケアプランを作成するコーディネーター)が作成したケアプランに基づいて妊産婦宅を訪問し、不安や悩みの傾聴・相談支援(寄り添い)や安心して育児に臨めるようサポートを行います。

わたしの講演のテーマは、「赤ちゃんの発達・発育、育てにくさへの対応 ~赤ちゃんの視点から子育てを考える~」というものでした。具体的には、「日本の伝統的育児観」「戦後の育児法の変遷 ~母子手帳の変遷を通して~」「日本のお産の変遷と児童虐待」「お産の環境を考える」「バースカンガルーケアと原初的没頭」「愛着形成」といった内容で、わたし自身の経験も合わせてお話ししました。育児支援というと、ついお母さん・お父さんの立場に立って対応をしてしまいがちですが、実は生まれたときから素晴らしい能力を発揮できる赤ちゃんの視点も持っていただきたい、という思いを込めました。質疑応答を含めて1時間という限られた時間でしたが、皆さん真剣に聴いてくださいました。修了後は是非、現場で育児支援に力を尽くしていただきたいと期待しています。 (2012.11.3)