院長です。

新型コロナウイルス感染症が全国的に蔓延し、この地域でも患者さんの数が大幅に増加しました。

現在の第5波の特徴としてまず、高齢者にワクチン接種が進んだ結果として高齢者の発症や重症化が減少していることがあげられます。感染拡大の中心は20~40歳代となっています。いわゆるデルタ株が感染の主体となっており、これまでの株では比較的少なかった30歳代から40歳代での重症例がみられています。そして感染経路の中心は同居家族で、全体の半数以上が同居家族からの感染となっています。

このような状況が続く中、皆さんも何度か見ておられるのではないかと思いますが、これまでは少なかった子どもたちの感染例の報告が増えているという報道が多くなってきた印象を持っています。

ここでは7月初旬から8月中旬までの京都府でのデータ(8月17日に行われた第53回京都府新型コロナウイルス感染症対策本部会議資料より)をもとに、10歳未満の子どもに限定してお話しします。

新規感染者数がこれまでになく増加していますから、それに比例して当然子どもたちの感染者数も増えているのは事実です。ただし新規感染者数に占める割合は大きくは変わっておらず、全体の5%前後です。そして感染経路のほとんどが、同居家族からの感染です。保育施設や学校等での感染例は、7月後半と8月前半を比較するとその数は横ばいで、全体に占める割合は13.5%から5.3%に減少しています。これは夏休みに入っていることが影響しているのではないかと思います。

当院がある精華町においても、8月になり10歳未満のお子さんの感染例の報告が増えていますが、資料を見る限り全てが同居家族からの感染ではないかと思われます。海外では学校の教室内でのクラスター事例が報告されているようですが、この時はマスクを外していた教師が発端となって生徒に広がったようです。デルタ株になり子どもが感染しやすくなったといっても、子どもから子どもへ、子どもから大人への感染よりも、大人から子どもへの感染の方がずっと起こりやすいことは、これまでと同様変わりはありません。子どもたちを新型コロナウイルスの感染から守る上で大切なことは、今まで通りの感染対策を継続することです。特に子どもの周りの大人が感染対策を十分に行うこと、そして現時点ではできる限り早期にワクチン接種を完了することだと思います。 (2021.8.31)