便秘への対応

院長です。

ときどき腹痛で受診されるお子さんがおられます。その原因として実は便秘が多いのです。かなり強い腹痛で受診された場合でも、原因が便秘であれば浣腸による排便でスッキリされ帰宅されることをよく経験します。排便機能が成熟するのは3歳過ぎと言われており、乳児期には数日間排便が見られないことはよく経験しますが、多くの場合は水様か泥状の便であり、便秘とは言えません。

肛門に一番ちかい場所にある直腸に便が溜まってくると、便意を感じて排便することになります。何かの原因で排便を我慢していると、便の水分がまわりの腸に吸い取られ、硬い便の塊が作られていきます。この状態で何とか排便ができたとしても排便時に強い痛みを感じることが多く、それを避けようとして、また排便を我慢して便の塊ができてしまう、という悪循環に陥ります。それに伴って直腸は押し広げられて、便を押し出す力がなくなっていき、排便に浣腸などの助けが必要になります。

まず初めの治療は、浣腸で溜まっている便を出してあげることです。いったん直腸を空っぽにして、その後に早めの浣腸(便が大きな塊になる前の排便を促す)を何度か行ってもらい、痛みなく排便することで改善が得られることがあります。整腸剤を併用する場合もあります。これで改善しなかったり、既に便秘の期間が長期間にわたっている場合には、便を出しやすくする薬を服用してもらいます。大きく分けて2種類、便を柔らかくする薬(浸透圧性下剤)と腸を刺激して動かす薬(刺激性下剤)です。新しい薬として、2018年に「モビコール(ポリエチレングリコール製剤)」という便を柔らかくする薬が、2歳以降の便秘に使えるようになりました。この薬は、いままで使用されてきたラクツロースや酸化マグネシウムといった便をやわらかくする薬よりも有効性が高いのではないかという報告もあります。当院でも、このモビコールの使用を始めています。

一度発症した便秘は、完全に良くなるまでには時間がかかります。たかが便秘と考えず、遠慮なくご相談ください。(2020.10.18.)