院長です。
毎日のように新型コロナウイルスに感染した人の報告が続き、不安が大きくなっている方が多いのではないかと思います。感染予防対策として最近強調されているのが、“三密”の回避ですね。すなわち、「換気の悪い密閉空間」「多数の人が集まる密集場所」「間近で会話や発声をする密接場面」を避けましょう、というものです。新型コロナウイルス感染症を収束に向かわせるためには、今後は特にこの“三密”の回避が重要になるわけですが、いつまでこの状態が続くのかがはっきりしないままでは、不安ばかりが先に立ち日常生活が制限され続けることで、いわゆる「自粛疲れ」につながり、対策が緩んでしまう危険性もあるのではないかと思います。
そこで、発表されている資料を基に、これまでに明らかになってきている新型コロナウイルス感染症の特徴と、今後の対策の要点を確認してみましょう。
まず、言葉の定義から。
①クラスター
連続的に集団発生を起こし(感染連鎖の継続)、大規模な集団発生(メガクラスター)につながりかねないと考えられる患者集団
②濃厚接触者
「患者(確定例)」が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当する者
・患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
・患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・その他:手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と接触があった者(患者の症状などから患者の感染性を総合的に判断する)。
③基本再生産係数(R₀)
1人の人が 平均で 何人に感染するかという指標。1 人の人が 2 人に感染させていればR₀=2になる。

ここからは、以下の資料の一部を引用させていただき、新型コロナウイルス感染症の特徴と、なぜ“三密”を回避しなければならないのか、について私なりに説明したいと思います。
資料①:「COVID-19 への対策の概念」:新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する厚生労働省対策推進本部クラスター対策班 東北大学大学院医学系研究科・押谷仁 (2020 年 3 月 29 日暫定版)
資料②:「COVID-19 積極的疫学調査実施要領(暫定版)と蔓延防止」大東文化大学 中島一敏

(資料①より)

現在の状況は、海外からの輸入症例を起点とした第2波の流行が起こっている。

 

(資料①より)

第1波の流行の時期においてわかっていたことは、濃厚接触者からはほとんど感染者が出ていないということだった。ではなぜ、流行が続いているのか?

 

(資料①より)

一部の感染者が、多くの人に感染させていると考えなければ、流行の説明がつかない。その後、感染者の8割は誰にも感染させておらず、残り2割の軽症者(日常生活の中で動き回れる)が感染源となっていることが分かった。

 

(資料①より)

1人が多くの人に感染させる状況を防ぐことができれば、封じ込めにつながることが分かった。

 

(資料①より)

クラスターの発生を抑え込むことができれば、地域の流行に至ることは無い。

次回に続きます。 (2020.4.5.)