院長です。もう1週間が経ってしまいましたが、16日からの3日間、富山市で開催された日本周産期新生児医学会に参加してきました。今回はワークショップでの発表があったのですが、それが初日に終わったので、2日目以降はじっくりさまざまなお話を聞くことができました。その中で特に印象的だったのは、最終日のランチョンセミナーでした。今回のランチョンセミナーの主題は「母児の出会い、愛着形成を産科· 新生児科で考えるFamily Integrated Care」で、お二人の先生が発表されました。僕は特に後半の、「オランダにおけるFamily Integrated Careの実践例と日本における可能性」と題した新生児科医の網塚先生のお話に感銘を受けました。先生が5月に見学されてきたオランダの病院の紹介を主として、日本の医療制度の問題点と今後の展望についてお話くださいました。先生のブログに詳しい内容が記されていますので、リンクをアップしておきます。

 網塚先生ブログ

 発表の最後にあった『赤ちゃんとお母さんが一緒にいるのは普通のことです。』『赤ちゃん達がお母さんと一緒に「何ごともなかったように」退院していけるような工夫を、それぞれの施設で知恵を出し合い、まず「最初の一歩」を踏み出してみませんか?』というメッセージは、NICU(新生児集中治療室)を念頭に置かれたものでしたが、実は普通に満期で生まれた赤ちゃんについても、多くの施設で同様の課題が残ったままです。産後の入院中に母子同室の施設は増えてきていますが、職員のすべてが、赤ちゃんとお母さんが一緒にいることが普通であるということを共通認識として持ち、生まれた直後から二人が一緒に過ごし、それが当然のこととして何ごともなかったように退院していくという施設は、まだ数えるほどしかないと思います。制度そのものを変えることはとても大変ですし、変わったとしても、そこでケアに関わる人の心が変わらなければ意味がありません。それぞれの人が同じ目標に向かって心を一つにし、できるところから工夫し行動に移すことができれば、その積み重ねが大きな変革へとつながるのではないかと思います。このセミナーを聞くことができたことで、改めてこのクリニックと助産院での試みを継続しさらに発展させていかねばと思いました。  (2016.7.24.)