院長です。次回の「小児科の先生とおはなししよう」では、最初に『子どもの風邪』というテーマでお話しさせていただこうと思っています。
 お子さんが小児科クリニックを受診される理由として最も多いのは、鼻水や咳、発熱といったいわゆる「風邪の症状」です。私が医者になった25年くらい前、風邪症状で受診された患者さんには、その重症度にかかわらず抗生物質や咳止め、解熱剤といった数種類の薬を処方することが、当たり前のように行われていました。
 風邪のほとんどはウイルス感染症で、数日の経過で自然に治ります。抗生物質は細菌感染症の治療には必要ですが、ウイルス感染症には効果がありません。ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンの定期接種化により、乳幼児の重症細菌感染症は大幅に減少しており、日常の風邪症状の治療において抗生物質が必要となる場面はさらに減少しています。いわゆる「咳止め」は、乳幼児には効果が認められていません。
 開業以来、必要のない投薬を行わないように心掛けてきましたが、最近発行された医学雑誌からの情報によれば、まだまだ改善の余地があるようです。「風邪」についての最新の情報だけではなく、私自身の考えも合わせてお話ししたいと思っています。是非ご参加ください。