院長です。前回からの続きで、今回は生活習慣的要因について述べたいと思います。
 1)運動習慣
  自家用車の普及、テレビやテレビゲームなどの普及により、「動かない生活化」が進んでいる。
 2)食事内容
  総カロリー摂取に対する脂質の増加。
 3)食事習慣
  夜型生活に伴う、夜食や間食摂取の増加。朝食の欠食。
 4)睡眠
  生活が夜型に変化し、睡眠時間が短くなる。
 
 これらの要因は、肥満の発症と関係します。肥満は生活習慣病と呼ばれる多くの疾患のリスクとなります。小児においても肥満は、脂肪肝、2型糖尿病、脂質異常症、高血圧、閉塞性無呼吸症候群、蛋白尿と巣状糸球体硬化症、などさまざまな疾患のリスクを上げる重要な因子であることが明らかになっています。乳児肥満の大部分は、幼児期に自然に解消する生理的な肥満です。成人の内臓脂肪蓄積は、乳児期ではなく、2~4歳の幼児期の体重増加と関連しているといわれています。
 幼児期にBMI(計算式は[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で、身長はcmではなくmで計算します)が低下から上昇に転ずる現象はAR(adiposity rebound)と呼ばれ、その時期が重要視されています。ARは、成人期に向けて体脂肪の蓄積が始まることを示す現象と考えられていて、通常6歳前後に起こりますが、3~4歳前に起こる場合は、学童期、思春期に肥満となるリスク、心血管疾患となるリスクが高くなるといわれています。ARを早める因子としては、①母親(妊娠中も含め)の肥満、②3歳で1日10時間以下の睡眠時間、③3歳で1日2時間以上のテレビやゲームなどのスクリーンタイム、があげられます。ジュースをよく飲む、戸外での遊びが少ない、などの生活習慣が関係するとの報告も多くなっています。
 普段の何気ない生活習慣が、子どもたちの将来に影響を及ぼすことがわかってきています。逆に言えば、十分に予防可能だということでもあります。もしも気になるところがあれば、できるところから改善に努めていただけたらと思います。 (2018.7.22.)