院長です。昨日の午後、今月の「小児科の先生とおはなししよう」を開催しました。今回のテーマは、「母乳、ミルク、そして離乳食」でした。
 お話ししたのは、「乳房の解剖と母乳が出る仕組みについて。特にホルモンの働きを中心に」「赤ちゃんの授乳パターンと、飲めているかどうかの判断の仕方」「授乳時の姿勢」「ミルクの足し方」「母乳育児と愛着形成」「離乳食―手づかみ食べの重要性―」「離乳食―愛着形成の視点から―」という内容でした。授乳に関して、母乳育児に関する基本的なことを知っておくことが、ミルクで育てる場合の基本にもなりますから、まずそこからお話しさせていただきました。一般に広まっている情報には、誤った情報が含まれていることが多く、母乳分泌の仕組みなど最低限知っておいていただきたい基本的なことをお話ししました。その上で、母乳で育てていく中には、お母さんと赤ちゃんの間の関係性、つまり愛着形成が築き上げられていくという大切な仕組みが組み込まれている、ということをお伝えしました。このことが理解できていれば、たとえ混合栄養でも、ミルクで育てる場合であっても、栄養法に関わらずそれはできることですから、特に強調してお話ししました。後半は、離乳食に関すること。赤ちゃんせんべいなどを利用した、手づかみ食べを並行して行っていくことが重要であること。家族の食事を基本として離乳食を準備して、一緒に食べることを楽しむこと。この2点に絞ってお話ししました。

 赤ちゃんにとっては、母乳で育てられることが一番であるという共通認識を持つことができれば、必要に応じてミルクの利用を考えればよいのだと思います。離乳食についても、基準とされる進め方に沿って進めるように求められることが多いのですが、(授乳も含め)食事に関しては個人差が大きく、思い通りに進まないのが普通です。家族の食事を一緒に楽しくとることが基本であり、離乳食も家族の食事の中から取り分ければよいのです。1年もしないうちに、同じものを食べるようになっていくわけですから。授乳にしても食事にしても、それをわが子と一緒に楽しめることが重要です。医療者が、基準なるものをお母さんに押し付けることから、お母さんの悩みが始まってしまう。そういうことは、今後は決して無いようにしたいものです。

 来月の日程は、決まり次第お知らせします。しばらくお待ちください。   (2017.10.28.)