昨日のおはなし会

 昨日、「小児科の先生とおはなししよう」を開催しました。今月は特にテーマを決めずに、最近の話題や外来診療の中で気になったことなどについて、一緒にお話しすることにしました。僕からは、「耐性菌の問題」「子どもの睡眠に関すること」について話題提供させていただきました。
 日本では以前から抗菌剤が効かない耐性菌が問題となっており、本来必要のない過剰な抗菌剤の使用が大きな原因とされています。小児科で言えば、風邪症状で受診されるお子さんの大部分はウイルスが原因ですが、それでもまだ効果のない抗菌剤を投与されることが多いのが実情です。政府が数値目標を掲げて、抗菌剤の使用を制限しようとする動きさえ出ているくらいです。処方する医師の側の自覚が重要であると同時に、必要と判断され処方された場合には、自己判断で中止せず飲み切ることも、耐性菌出現予防には大切であることもお話ししました。合わせて、小児の急性中耳炎の治療についてもお話ししました。
 睡眠については、スマートホンやパソコンの視聴が睡眠(特にメラトニンの分泌)に与える影響についてお話ししました。睡眠不足から体調を崩して受診されるお子さんが増えているように感じています。子どもの時期の睡眠は、その後の発育・発達に大きく影響します。「早寝早起き」は大切なことであり、スマートホンなどが急速に普及している今こそ、大人がしっかりと考え行動する必要があると思います。
 これらの話題に関すること、それぞれのお母さんが困っておられることも含め、たくさんの質問をいただいてお答えさせていただきました。診察室ではゆっくりお話しする時間が取れないので、時にはこのような形でこの会を行うこともいいのではないかと感じました。
 3月は24日(金)に行う予定です。詳細はまた改めてお知らせします。  (2017.2.18.)