喫煙は「ニコチン依存症」という疾患です。

院長です。禁煙外来を始めたので、このブログで喫煙に関することを述べていきたいと思います。
昨年、閣議決定された「がん対策推進基本計画(変更案)」で喫煙者率の削減目標が設定された際、JT(日本たばこ産業㈱)はその声明を出し、その中で「たばこは合法的な嗜好品であり、喫煙するかしないかは、適切なリスク情報に基づいて、成人個々人が自らの健康に与える影響を勘案して判断すべきものです。」と述べています。たばこは嗜好品でしょうか? そうであるならば、もっと簡単に一時的に吸うのを止めたり禁煙ができるはずです。それが正しいのであれば、そもそも禁煙外来が保険診療として認められるはずもありません。『喫煙=ニコチン依存症』という病気です。たばこの煙に含まれるニコチンの依存性は強く、精神および行動の障害を引き起こす物質として、ヘロイン・コカイン・アルコールなどと同列に分類される依存性薬物です。その依存症発症リスクは、ヘロイン・コカイン・アルコールより大きく、使用中止の困難さはヘロイン・コカイン・アルコールと同等とされています。まずは「たばこは合法的な嗜好品」という考えを、皆が改める必要があるのです。